Qualcomm、Intel、Googleは、AI市場からNVIDIAを追い落とすべく、新たな「戦略的」連合を結成したと報じられている。
Qualcomm、Intel、Googleのような3つの大企業が、NVIDIAのAIにおけるCUDAの覇権を追い落とすチャンスを得た。
このような大規模な企業間のコラボレーションは、これまで見られなかったことである。AI市場におけるNVIDIAの優位性は、競合他社に大きな衝撃を与えている。
NVIDIAは、技術産業におけるAIのシェアの大部分を貪り、競合他社が埋める余地を残していない。
このことは、現在NVIDIAに対して統一戦線を張っている多くの企業を悩ませている。
ロイター通信によると、Qualcomm、Intel、Googleは、チーム・グリーンの市場シェアを独自に獲得するために手を組んだ。
この連合に参加している企業は、NVIDIAのハードウェアを直接狙うのではなく、CUDAをターゲットにするべきだと考えており、NVIDIAを凌駕する可能性のある唯一のCUDA代替プラットフォームであるIntelのoneAPIプラットフォームに存在する機能を活用することで、そうすることを計画している。
我々は実際に、NVIDIAプラットフォームからの移行方法を開発者に示している。
– QualcommAI部門責任者、ヴィネシュ・スクマール氏
具体的には、機械学習フレームワークの文脈で言えば、オープンなエコシステムを構築し、ハードウェアの生産性と選択肢を促進するにはどうすればいいかということです。
– GoogleのHPC担当ディレクター兼チーフ・テクノロジスト、ビル・マーゴ氏
IntelのoneAPIについて簡単に説明すると、oneAPIはヘテロジニアス・コンピューティングを明確にターゲットにした統一プログラミング・モデルである。
ユーザーにインターフェースを提供し、最終的にはGPU、AIアクセラレーター、FPGAなど、さまざまなコンピューティング・アクセラレーター・アーキテクチャで活用できるようにする。
IntelのoneAPIは、アーキテクチャに対してよりオープンである点で、NVIDIAのCUDAに先行しており、様々なアーキテクチャを切り替える際に、開発者間でよりポータビリティを高めることができる。
しかし、oneAPIはCUDAと比較して最適化レベルには達していないが、連合に参加する企業は、迅速な機能強化によって同じパフォーマンスを得ることを計画している。
NVIDIAは、GTC 2024で明らかになったように、この分野での歩みを緩めてはいない。
解説:
Qualcomm、Intel、GoogleがNVIDIAを追い落とすために連合を組んでいるようです。
OneAPIを標準として、CUDAをターゲットにしているようですね。
あくまでもホビーユーザー目線で書かせていただきますが、現状では難しいように感じます。
IntelのOneAPIはipexという形でpytorchが使えるようになっています。
しかし、商業メディアの記事によるとプロンプト再現性が100%ではないようですから、まずはそこを何とかするのが先決かなあと思います。
わたくしは変換物はダメだと何度も繰り返していますが、イラストAIにおいてはやはり、CUDA+pytorchで莫大な学習済みモデルデータの資産があるわけです。
この資産をそっくり使えてCUDAより高機能か高性能、利便性か性能のどちらかで上回らない限りは後発の企業・団体が上回ることは難しいと思います。
もちろんホビー系のイラスト生成AIというごくごく限られた分野での話ですから、すべてにおいて当てはまるわけではないと思いますが、実際のところ、かなり核心をついてるところはあるのではないかと思います。
後発が圧倒的な先行者を倒すにはできるだけ多くの企業と連合を組んでCUDAと100%互換性を維持した上で機能か性能で上回る必要があると思います。
何度も書いていますが、テック企業そのものや中にいる技術者には「独自技術症候群」とも呼ばれる病理を潜在的に抱えています。
先行する企業が出している技術を独自の技術で上回りたいという欲求です。
おそらく、腕に自信のある技術者の方ならばこの欲求は理解できるのではないでしょうか。
しかし、先行企業が持っているのは技術だけではありません。
ソフトウェア資産やノウハウを理解した(層の厚い)サードパーティーの技術者群など、1から育て上げるには現実的でないほどの手間・金・時間のかかる目に見えない要素を抱えています。
oneAPIがCUDAより優れていたとしても、この問題を解決できない限りどうにもなりません。
例を挙げれば現時点でいえば、Stable Diffusion WebUIが同じプロンプトで同じ絵が出せて、かつNVIDIAより性能で優れているか、何か高い利便性が得られなくては勝てないということです。
現実的に考えれば、そうでなければGeforceからARCには移行しないでしょう。
圧倒的なコスパや性能がなければ一般の人は名前のあるほうを選択します。
それは自分の立場に置き換えてみれば理解できるのではないでしょうか。
自作PCユーザーというのは合理性という神の信奉者だとわたくしは考えています。
現時点でAI/MLでNVIDIA以外を選択する合理的な理由がない限り、0を1ににしたいというわたくしのような変人でない限りはNVIDIAを選ぶということになります。
※ 念のためにお断りしておきますが、Geforceも所有しています。