Zen 3からZen 4への移行により、パフォーマンスが30%向上した。
最高のCPUリストの座を争うAMDの次期Ryzen 8000G APUのうち3機種がすでにPassmarkでテストされ、その結果、これらの新チップは5000Gの前モデルよりも30%高速であることが示された。
1月31日に登場するRyzen 8000G APUは、AMDが2021年のRyzen 5000Gシリーズ以来、デスクトップ向けの新しいハイエンドモデルとなる。
対象となるAPUは、Ryzen 7 8700G、Ryzen 5 8600G、Ryzen 5 8500Gで、Ryzen 3 8300GはOEM専売となるため、小売に投入される唯一のモデルとなる。
このことから、今後発表されるAPUのレビューには3モデルすべてが含まれることになる。
しかし、高速な統合グラフィックスを搭載しているため、主役はほぼ間違いなく上位モデルのRyzen 7 8700GとRyzen 5 8600Gになるだろう。
前モデルと比較して、Ryzen 7 8700GとRyzen 5 8600Gは、Zen 3からZen 4へのアップグレードに伴い、どちらも30%高速化されている。
3つのRyzen 8000G APUはいずれも、Ryzen 7 5700Gのブーストクロック4.6GHzを大幅に上回る最大5GHzを実現し、Ryzen 8000Gシリーズに搭載されたZen 4アーキテクチャも若干の性能向上を実現している。
Ryzen 8000GのPassMark性能
Passmark スコア |
コア数/ スレッド数 |
ベース周波数 (Zen 4c) | ブースト周波数 (Zen 4c) |
小売価格 | |
Ryzen 7 8700G |
32,117 | 8/16 | 4.2 GHz (N/A) |
5.1 GHz (N/A) |
$329 |
Ryzen 7 5700G |
24,638 | 8/16 | 3.8 GHz (N/A) |
4.6 GHz (N/A) |
$359 |
Ryzen 5 8600G |
25,957 | 6/12 | 4.3 GHz (N/A) |
5.0 GHz (N/A) |
$229 |
Ryzen 5 5600G |
19,900 | 6/12 | 3.9 GHz (N/A) |
4.4 GHz (N/A) |
$259 |
Ryzen 5 8500G |
21,796 | 6/12 | 4.1 GHz (3.2 GHz) |
5.0 GHz (3.7 GHz) |
$179 |
ベンチマークでは、2つのZen 4コアと4つのZen 4cコアを搭載するPhoenix 2ベースのRyzen 5 8500Gと、通常のPhoenixチップを使用し、6つの通常のZen 4コアを搭載するRyzen 5 8600Gとの比較も明確に示されている。
コア数とブーストクロック速度は同等であるにもかかわらず、Ryzen 5 8600Gの方が19%高速だが、これはRyzen 5 8500GのZen 4cコアが遅いためと思われる。
より小さなZen 4cコアで3.7GHzのブーストクロックしかないRyzen 5 8500Gは、Passmarkのようなマルチスレッドベンチマークを実行している間、間違いなく8600Gよりも平均周波数がはるかに低い。
Ryzen 8000GシリーズがRyzen 5000Gシリーズの後継にふさわしいかどうかはまだ不明だが、その統合GPUの性能は間違いなくCPU性能よりも重要だからだ。
Ryzen 5 8500Gは、ローエンドのRadeon 740Mグラフィックスを搭載しているため、特に優れた性能は期待できない。
それでも、Ryzen 5 8600Gに搭載されるRadeon 760MとRyzen 7 8700Gに搭載されるRadeon 780Mは、まったく同じiGPUを利用したゲーム用携帯機で我々が見てきたのと少なくとも同程度の性能を発揮すると予想される。
オーバークロックにより、Ryzen 5 8600GとRyzen 7 8700Gは統合グラフィックスの性能をさらに押し上げることができるだろう。
解説:
PhoenixのAM5版が1/31に登場。
それに先駆けてPassmarkの結果が公式サイトに掲載される。
5000Gから8000Gは約30%アップの大ジャンプとなります。
30%というのはかなりインパクトがあり、びっくりしますね。
注意してほしいのはこれはCPUの性能であり、APUというと大きくフォーカスされるiGPUの性能の比較ではないということです。
注目なのはRyzen5 8500Gの性能で、思ったよりかなり低いです。
Zen4cのクロックが低いことがその理由だと思いますが、TDP65Wという範囲内で、CPUのブーストされる時間が長くなるのか、GPUのブーストされる時間が長くなるのかTDPが低くされるのか、性能が落ちている分何某かのメリットがあると思うのですが、それがどの辺に出てくるのか興味は尽きないところです。
Ryzen Z1無印はPhoenix2ダイとれさていますが、内臓GPUは1/3のCU数しかないにも関わらず65%もの性能を誇っていました。
こんな風に、省電力になった分余った廃熱能力がどこかに恩恵をもたらすのではないかとわたくしは考えています。
もちろんですが、絶対的な価格が安価な以上8500Gのほうが8600Gより性能が低いというのは前提条件としてあるのでしょう。
8600Gと8500Gの性能の比較というのはわたくしにとっては非常に興味深いです。