米国の輸出規制が中国を遮断している今、インドはNvidiaにとって不可欠な市場である。
Reutersの報道によると、インドに拠点を置くデータセンターおよびサーバー企業のYottaは、2025年3月までに5億ドル相当のNvidia GPUを16,000台購入する予定だという。
この取引は、米国の制裁措置によりNvidiaの多くの最高級GPUの中国への輸出が禁止された直後に行われたもので、インドが少なくとも部分的に中国の需要があった空白を埋めているようだ。
ReutersがYottaのCEOであるSunil Gupta氏に話を聞いたところ、同社は2025年3月までに16,000個のH100およびGH200 GPUを発注する予定だという。
これらのGPUは全体で約5億ドル相当と推定されるが、Yottaが何台発注するのかは不明だ。
2022年、H100 GPUの1つの価格は3万ドル以上だったが、大まかな計算では、5億ドルあれば、おそらくかなり高価なGH200に加えて、数千個のH100チップを購入できることになる。
YottaはNvidiaからより有利な条件で取引をしている可能性があり、おそらく今回の注文にはGH200はあまり含まれていないだろう。
この最新の購入の前に、同社は昨年も16,000個のH100 GPUを購入しており、今年の7月に納品される予定だ。
Guptaは、H100とGH200の注文により、YottaのAI GPU購入の総コストは10億ドルになると主張しており、この契約は約5億ドルの価値があった。
Yottaが予算を大幅に増やすことなく、より高価なハードウェアを購入できるという事実は、おそらくH100が以前ほど高価ではないことを示唆している。
H200がH100の後継であることを考えると、そうかもしれない。
同レポートは、このYottaとNvidiaの取引を、多くのハイエンドGPUの中国への輸出を禁止している米国の最新の対中制裁と結びつけている。
NvidiaはH100 GPUを中国で販売することを許可されていなかったため、制裁に従うためにH800の低速バージョンを製造した。
しかし数カ月後、H800は中国での販売が禁止され、Nvidiaは中国で販売できるGPUのバリエーションを増やさなければならなくなった。
米国政府はようやく制裁の厳しさを和らげようとしているようだが、さらなるルールが設けられるかどうかは不透明であり、不確実性はビジネスに資するものではない。
米国の同盟国ではないとはいえ、インドがすぐに次の制裁対象になる可能性は低いからだ。
解説:
インドが米国の対中規制で輸出できなくなった分の一部を穴埋め
日本は?と悲しくなってくる話ですねえ。
AI/MLのデータセンター向けアクセラレーターは導入が決まると万単位となり、大量調達となります。
中国がRTX4090のゲーム用GPUを吸い上げているため品不足になり値上がりしていますが、この大量調達が理由ですね。
今回のインドの調達も32,000個というのはびっくりではないでしょうか。
世間では様々な理由で生成AIを否定されている方がいますが、世界中の巨大企業が32,000個などという単位でAI/MLに投資しているわけですから、一個人、一つの業界が抵抗したところでこの流れをとどめることができるわけがありません。
反対するよりはどのように利用していくのか、自分が損しないためにどのように共存していくのかを考えたほうが前向きだと思います。
アメリカの対中規制には四苦八苦しているnVIDIAですが、大筋では作っても作っても間に合わないほど売れており、当面は我が世の春を歌うことができる状態だと思います。
今後はnVIDIAのAI/MLアクセラレーターは1年に一回の更新になるといわれていますので、ゲーム用GPUに与える影響も小さくなるのではないかと思います。
わたくしの実感ではAI/MLアクセラレーターは一世代違うと圧倒的な差がついてしまい、ゲーム用のGPUでは勝負にならなくなると思います。
内臓GPU程度のグラフィックス機能しか搭載していないGeforceブランドの民生用のAI/MLハードウェアアクセラレーターもそのうち販売されるかもしれませんね。