AMDはモバイル分野ではもはやiGPUの王者ではないかもしれないが、デスクトップ分野ではまだわからない。
インテルの全く新しいMeteor Lake CPUは、その強力な統合グラフィックスのおかげで、強力なゲーミング・プロセッサーとしてのニッチを見つけるかもしれない。
Golden Pig Upgradeによるレビューでは、Core Ultra 7 155Hはゲームと合成iGPUベンチマークでかろうじてAMDのRyzen 7 7840HSを追い抜くことができた。
AMDが統合グラフィックスでリードを失ったのは、2019年以来初めてのことだ。
Meteor Lake CPUは、チップレット(インテルはタイルと呼ぶ)を組み合わせて完全なプロセッサーを構成しており、これによってインテルはハイエンドのMeteor Lakeチップに巨大な統合GPUを搭載できるようになった。
128個の実行ユニットを持つこのグラフィックチップは、インテルのTiger Lake、Alder Lake、Raptor Lakeの統合グラフィックよりも50%大きい。Meteor Lakeは、かなり古いXe-LPではなく、より新しいXe-LPGアーキテクチャを採用している。
Golden Pig Upgradeのレビューでは、1080pの低設定で、Core Ultra 7 155Hは8つのゲームのうち4つでRyzen 7 7840HSに勝った。
これは厳密には引き分けだ。
しかし、インテルのCore Ultra 7 155Hは、League of LegendsとDota 2で本当に圧倒的なリードを見せた。
しかし、Core i9-13900Hでも高設定ではCore Ultra 7 155Hより速かったことを考えると、バグかもしれない。
しかし、3DMarkの合成グラフィックス・ベンチマークでは、コア・ウルトラ7 155Hのリードは実際のゲームよりもはるかに大きく、その差は25%から40%近くまでインテルに有利だった。
これは、Meteor LakeのiGPUが、実際のゲームでは活用されていない実力をより多く持っていることを示しているのかもしれない。
しかし、新しいドライバがその余分な性能を引き出せるのか、3DMarkがCore Ultra 7 155Hのクアッドチャンネル・メモリ構成に特に敏感なのかは不明だ。
電力効率も、ある意味ではインテルに有利だ。
League of Legendsでは、Core Ultra 7 155HとCore Ultra 5 125Hは、Ryzen 7 7840HSよりも、かなりではないが効率が良かった。
しかし、効率はTDPに大きく左右され、Meteor Lakeの2チップは消費電力が30ワット以上で初めてRyzen 7 7840HSより効率が良くなる。
15ワットでは、Ryzen 7 7840HXはCore Ultra 7 155Hよりも約30%効率が高く、これはおそらくMeteor LakeがSteam DeckやROG Allyのような携帯ゲームPC向けのプロセッサーには選ばれないことを意味している。
Meteor Lakeはおそらく、2019年後半のノートPC向けIce Lake以来、統合グラフィックスにおいてインテルにとって最高の見せ場となるだろう。
しかし当時、インテルはRyzen 3000シリーズの古いZen+ APUと競合しており、Ice Lakeは2020年初頭にZen 2アーキテクチャとiGPUを作り直したRyzen 4000 APUにあっという間に王座を奪われた。
今回、インテルはAMDの最新のRDNA 3アーキテクチャに立ち向かい、辛うじて勝利を勝ち取った。
解説:
12/14を過ぎてMeteorlakeの情報が出てくるようになりました。
MeteorLakeのiGPUが初めて同世代の内蔵GPUであるAMDのRadeon 780Mを上回ったということで大きな話題になっています。
MeteorLakeの目指した方向性は間違っていないと思いますが、この事実を持ってMeteorLakeが7840Uにとって代われるかと言ったら難しいと思います。
理由はやはりコストですね。
MCMを採用するインテルに対して7840Uはモノリシックです。
ダイサイズも178mm2ですから、それほど大きくありません。
AMDの場合上位モデルのコストを下げるためにMCMを用いていますが、MCMの時点である程度の価格になることが前提です。
AMDの安価なモデルはみなモノリシックになっています。
4100も4500もRenoirのGPUを無効化したモデルです。
7840U(Ryzen Z1 Exreme)と同じ価格以下で出荷しなければ日本円で10万円を軽く下回る携帯ゲーミングPCに採用するのは難しいでしょう。