PhisonはCES 2024で、現在最速のGen 5 SSDよりも高速なSSDのプロトタイプを披露する予定だ。
今年も残すところあとわずかとなり、システム部品メーカーは1月第2週から始まるCES 2024に向けて製品の準備を進めている。
Phisonは、CES 2024のブースで展示する4つの製品を発表した。
その中には、新しいUSB 4コントローラ、2つの新しいM.2 SSDコントローラ、現在市販されているベストSSDを凌ぐシーケンシャルリード速度を特徴とするGen 5 SSDのプロトタイプが含まれる。
Phisonが発表した2つのメモリコントローラには、PS5031-E31TとPS5027-E27Tがある。前者は低消費電力のM.2 PCIe Gen 5コントローラで、最大10,800 MB/秒のシーケンシャルリード/ライト速度と最大1,500,000 IOPSのランダムリード/ライト性能をサポートする。
このコントローラはTSMCの7nmプロセスで製造され、4チャネル構成、ARM Coretex R5 CPU、AES 256暗号化、Phisonの第7世代LDPC、RAID ECCを搭載しています。SSDは最大8TBの容量をサポートし、3D TLCおよびQLC NANDフラッシュをサポートする。
この新しい低消費電力コントローラは、より強力なE26コントローラでは対応できない市場のギャップを埋めるように設計されています。
新しいコントローラの低消費電力特性は、SSDヒートシンクを必要とせずに動作することを可能にするはずです。
これは、頑丈なヒートシンクを備えたSSDを搭載できないノートパソコンや携帯ゲーム機のようなコンパクトなシステムにとって非常に必要なことです。
後者は、Steam DeckやROG Allyのような携帯ゲーム機向けに設計された2230フォームファクタのM.2 SSDをターゲットとした、別の低消費電力PCIe Gen 4 SSDコントローラである。
このコントローラはTSMCの旧型12nmプロセスを採用し、4チャンネル構成とPhisonが “Single CPU Architecture “と呼ぶものを特徴としている。
PS5031-E31Tと同様に、このGen 4設計のPS5027-E27Tコントローラーは8TBストレージをサポートし、3D TLCおよびQLC NANDフラッシュをサポートする。
シーケンシャル性能はリードで最大7,400MB/秒、ライトで最大6,700MB/秒。ランダム性能は、リードとライトの両方で最高1,200,000 IOPSです。
参考のため、これらの仕様はコントローラーの能力を示すものであり、このコントローラーが搭載される可能性のあるSSDの実際の性能仕様を示すものではない。
PhisonはPS5026-E26 Max14um Gen5 SSDのデモも行う。
Phisonは数ヶ月前にこのドライブを初めて披露し、これまでで最高性能のクライアントSSDであることをアピールした。
このドライブはCrystal Disk Markで14GB/秒以上の性能を発揮し、現在市販されている最速の消費者向けGen5 SSD（Crucial T700など）よりも高速である。
この速度を達成するために、PhisonはE26コントローラーとMicronの2400MT/秒NANDフラッシュを組み合わせました。
冷却に関しても、Phisonはさらに一歩踏み込み、2つのFrore Systems AirJet Minisを使った銅製の冷却システムを設計しました。
PhisonのE26コントローラは、常にこの速度を達成することができますが、Phisonはこのような速度が可能であることを人々に思い出させたかったのです。
その妨げとなっている最大の問題は、E26コントローラーの帯域幅能力を飽和させることができる超高速2400MT/秒メモリーチップがないことだ。
しかし、2400MT/秒の生産が活発化している現在、まもなく14GB/秒のドライブを目にするようになるはずだ。
最後に、PhisonはPS2251-21（U21）と名付けられた新しいUSB 4メモリコントローラを発表する。
Phisonは、これはポータブルデバイスや従来とは異なるフォームファクター向けの世界初のUSB 4シングルチップソリューションであるとしている。
このコントローラーは最大4GB/秒の速度が可能である。
解説：
最近SSDのレビューを活発に上げていることもあってPhisonの話が出ていたので取り上げてみました。
今回のクリスマス商戦ではGen4 SSDが主役になっていましたが、最先端の製品はもちろんGen5 SSDとなります。
PS5031-E31TとPS5027-E27Tが発表され、PS5031-E31TはGen5、PS5027-E27TはGen4対応のコントローラーになるようです。
Gen5のPS5031-E31Tは現行のGen4対応コントローラーPS5026-E26の置き換え、PS5027-E27TはPS5026-E26の廉価版、低発熱版と言う位置づけのようです。
私も低価格帯のPhisonのコントローラーはいくつか使いましたが、非常にすぐれていますので、これらの製品を搭載した新製品も期待できるでしょう。
現行のGen5 SSDに関しては12,400MB/s、10,000MB/sのものがあるようですが、これらの製品と高速なフラッシュメモリを組み合わせると14,000MB/sの速度が達成できるようです。
Gen4の理論最大値は8,000MB/sで、現在の公称最高速度が7450MB/s、1550K IOPSあたりですから、Gen5だとその倍くらいは見込めるという話になります。
数字で出すとGen5の最大値は14,900MB/s、3100K IOPSとなります。
そう考えると14,000MB/sはかなり限界値に近づいているということになります。
恐らくこれが限界値の平均で、これ以上はファームウェアなどをギリギリまでチューンして達成しているレベルになるのではないかと思います。
現行のGen4もシーケンシャルの各社の限界値の平均は7,000MB/sでそれ以上はAMDかIntelかの環境によっても左右されるというのが一般的な認識だと思います。
Gen5のSSDがこなれてきたとしても一応の限界値は14,000MB/s程度で、それ以上は高価になるか環境依存するという風に考えておいた方がよいでしょう。
セミ族SSDの元祖、HIKSEMI