Linuxコンパイラの開発者たちは、『GFX12ターゲット』のための下準備を進めている。
AMDのLinux開発者が、新しいGFX12ターゲット用のパッチをGitHubに投稿しているのが目撃された(Phoronixより)。
具体的には、RDNA4グラフィックス・アーキテクチャーを採用する最初のGPUとなることが期待されているAMDの2つの新しいディスクリートGPUが、Linux LLVMコンパイラのターゲットとして追加されている。
これらは、デスクトップGPUの次期Radeon RX 8000ファミリーの最初の2つのメンバーである可能性がある。
以前のAMD Linuxパッチでは、RDNA1はGFX10、RDNA2はGFX10.2、RDNA3はGFX11と呼ばれていた。
一方、10月には、LinuxのMesa 23.3グラフィックス・ドライバに、GFX11.5をサポートする謎のパッチが現れました。
GFX11.5はRDNA3のリフレッシュ版と予想されているが、そのようなハードウェアが公式に導入されたのをまだ見ていないため、まだ証明されていない。
2つの新しいコンパイラーターゲットをよく見ると、GFX1200とGFX1201はパッチ内で “dGPU “コンポーネントとしてマークされている。
今回のパッチでは、次期グラフィックスISAやその機能についての詳細は明らかにされていないため、GFX12の開発はまだ比較的初期段階にある。詳細は、AMD製ディスクリートGPUのリリース間近に明らかになるはずだ。
今のところ、開発者はGitHubプロジェクトで、コードが新しいGFX12 GPUを “GFX11と同じように動作する “かのように扱うと言われている。
Phoronixは、LLVMにおけるGFX12サポートの開発作業は、AMD ROCmコンピュートスタック、AMDVLKオープンソースVulkanドライバ、RadeonSI Gallium3Dドライバなどにおいて、これらのGPUを今後サポートするために必要であると指摘している。
解説:
LinuxのパッチにRDNA4の記述が発見される。
新しいパッチの中にGFX12の記述があり、これがRDNA4を指すのではないかと言われています。
RDNA1はGFX10、RDNA2はGFX10.2、RDNA3はGFX11となっていました。
10月にはGFX11.5の記述があったとのこと。
情報を統合すると、GFX12はRDNA4でほぼ間違いないでしょう。
GFX11.5はRDNA3 Refleshを指すものと思われます。
こちらはNavi43相当のチップしかラインナップされないとされるRX8000シリーズのフラッグシップになるとされるRadeon RX8800ではないかと私は予測します。
GFX11.5から連想するのはStrix Pointに搭載されるとされる内蔵グラフィックスがRDNA3.5とされていますので、そちらも連想することができます。
どちらを指すものなのかはちょっとわからないです。
もし仮に単体GPUであるならば、3D V-Cache搭載版であって欲しいなあと願うばかりです。
そのうえで12V-6P×2となるならば、RTX4090の性能を超えるのは難しいと思いますが、それなりの性能になる可能性はあると思います。
ROCmでの扱いはどうなるのか?
AMDが今、最も力を入れていると言ってもよいソフトウェアであるROCmでの扱いがどうなるのかは気になるところです。
思い返すとRDNA1(Navi21)はROCmで正式にサボートされませんでした。
なぜならば、Radeon Proが出なかったからです。
Navi43相当までのチップしか出ないRadeon RX8000シリーズでRadeon Proが出るのかどうかは微妙なところだと思います。
もっとも利益率の高いMI250シリーズやMI300シリーズには対応することは確定でしょう。
しかし、Navi43相当のチップしか出ないRDNA4がROCmに対応するかどうか(Radeon Proが出るかどうか)を考えると難しいのかなと思います。
RDNA1は結局対応せずにGFXのバージョン指定をRDNA2と同一にすることによって無理矢理動作させていることを考えると、難しいのかなと思います。
このあたり、ROCmは結局、正式対応してないことを考えると、Radeonをホビー向けのAI/ML用途に使うのは非常に厳しいと言わざるを得なません。