Valve、有機ELスクリーン搭載のSteam Deckを発表
PCゲーマーに最も人気のあるハンドヘルド機がアップグレードされる。
Steamは、HDRに対応した7.4インチの大型有機ELディスプレイを搭載した「Deck OLED」を発表した。
このデバイスにはコードネーム “Sephiroth “と呼ばれる新しい6nm AMD APUが搭載されており、前モデルと同じ仕様が維持されている。
このプラットフォームには、6400MT/sの高速LPDDR5メモリも採用されている。
OLEDモデルは、2.4/5.0/6.0GHzネットワークとIEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax規格をサポートするアップグレードされたWi-Fi 6Eワイヤレスインターフェースなど、いくつかの機能強化が施されている。
さらに、50Whrの大容量バッテリーを搭載しながら、30gの軽量化(5%)と低発熱を実現した。
画面解像度は1280×800で、ピーク輝度はHDRで1000ユニット、SDRコンテンツで600ニットです。
さらに、90Hzのパネルは110%のP3色域をカバーする。Valve社によると、このスクリーンだけで、消費電力は約半分になるという。
更新されたOLEDバージョンは、より厚い設計を特徴とする強化されたヒートシンクを誇り、変更されたファン構成を導入している。
報告書によると、このシステムは以前のものと比較して、ノイズレベルが低減され、発熱が少なくなっている。
発表されたばかりのOLEDバージョンは、1TBのストレージ・オプションを提供し、同じ649ドルの価格帯で512GBバージョンの明らかな置き換えを意味する。
一方、512GBのOLEDモデルは549ドルで、現行の512GB LCDモデルは449ドルに値下げされる。
256GBのLCDモデルは399ドルに、64GBのエントリーモデルは349ドルに値下げされる。
Valveは、Deck OLEDがオリジナルの「LCD」バージョン用に設計されたアクセサリーと互換性があることをユーザーに保証している。
さらに、ユニークな半透明デザインの限定版も発売される予定だ。
OLEDバージョンは11月16日に発売される予定だ。
携帯ゲーミングPC
Lenovo Legion Go |
ASUS ROG Ally |
Valve Steam Deck OLED |
Valve Steam Deck |
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アーキテクチャー | AMD Zen4 & RDNA3 |
AMD Zen4 & RDNA3 |
AMD Zen2 & RDNA2 |
AMD Zen2 & RDNA2 |
APU | Ryzen Z1 Extreme 8C/16T 最大 5.1 GHz もしくは Ryzen Z1 6C/12T 最大4.9 GHz |
Ryzen Z1 Extreme 8C/16T 最大 5.1 GHz もしくは Ryzen Z1 6C/12T 最大 4.9 GHz |
AMD Sephiroth (6nm) 4C/8T 最大 3.5 GHz |
AMD Van Gogh (7nm) 4C/8T 最大 3.5 GHz |
SoC GPU | AMD iGPU 12CU @ 2.7 GHz [Z1E] 4CU @ 2.5 GHz [Z1] |
AMD iGPU 12CU @ 2.7 GHz [Z1E] 4CU @ 2.5 GHz [Z1] |
AMD iGPU 8CU @ 1.6 GHz |
AMD iGPU 8CU @ 1.6 GHz |
SoC TDP | 9-30W | 9-30W | 4-15W | 4-15W |
外付 GPU | USB4 | ROG XG Mobile (最高 RTX 4090) | 公式では無し | 公式では無し |
メモリ容量 | 16GB LPDDR5X-7500 | 16GB LPDDR5-6400 | 16GB LPDDR5-6400 | 16GB LPDDR5-5500 |
ストレージ 容量 |
1TB/512GB | 512GB/256GB | 512GB/1TB SSD | 256GB/512GB SSD 64GB eMMC |
ストレージ | M.2 NVMe 2242 SSD PCIe 4×4 |
M.2 NVMe 2230 SSD PCIe 4×4 |
M.2 NVMe 2230 SSD PCIe 3×4 |
M.2 NVMe 2230 SSD PCIe 3×4 eMMC PCIe Gen2x1 |
ディスプレイ | 8.8″ 2560×1600 IPS, 144Hz (VRR), 500 nits |
7″ 1920×1080, 120Hz (VRR), 500 nits, 7ms |
7.4″ OLED 1280×800, 90Hz, 1000 nits |
7″ 1280×800, 60Hz |
無線LAN | Wi-Fi 6E, BT 5.2 | Wi-Fi 6E, BT 5.2 | Wi-Fi 6E, BT 5.3 | Wi-Fi 5, BT 5 |
バッテリー | 49.2 Wh, 900 mAh (controllers) | 40 Wh, 4S1P, 4-cell Li-ion | 50 Wh | 40 Wh |
重量 | 854g / 1.87 lbs | 608g / 1.34 lbs | 640 g / 1.41 lbs | 669g / 1.47 lbs |
寸法 (LxWxH) |
29.9 x 13.1 x 4.1 cm 11.8 x 5.2 x 1.6 in |
28.0 x 11.3 x 3.9 cm 11.0 x 4.5 x 1.5 in |
29.8 x 11.7 x 4.9 cm 11.7 x 4.6 x 1.9 in |
29.8 x 11.7 x 4.9 cm 11.7 x 4.6 x 1.9 in |
デフォルトOS | Windows 11 | Windows 11 | Steam OS/Win 11 | Steam OS/Win 11 |
発売時価格 | $699/€799 (Z1E+16G+512GB) $749/€799 (Z1E+16G+1TB) |
$599/€699 (Z1+16G+256GB) $699/€799 (Z1E+16G+512GB) |
$549 (16G+512GB) $649 (16G+1TB) |
$399/€419 (16G+64GB) $529/€549 (16G+256GB) $649/€679 (16G+512GB) |
発売日 | 2023/10/31 | 2023/7 [Z1E] 2023/9 [Z1] |
2023/11 | 2022/2 |
解説:
SteamDeckがOLEDにアップグレード
誰もがそう思うと思いますが私も「まるでSwitchのよう」と思ってしまいました。
スペック偏重のゲーミングPCの世界においてこれが決定的な要因にはなりえないですが、消費電力が小さくなり、価格が安価になる(同じ価格でスペックアップする)のは確かにありがたいことではあります。
肝心のSoCのスペック変更は無しです。
ただし、Van GoghからSephirothへと変更になっているようですね。
こちらは主にコストダウンの為でしょう。
どうもSteamDeckのビジネスモデルはゲーム機に近いようですね。
一つのSoCを長く使い、大量に生産することによってコストを下げるという戦略のようです。
基本的にSoCの変更を行うのはシュリンクの時だけでスペックには変更がないという調達方式になるようですね。
Valveは頭一つ抜けた価格を維持するために様々な工夫を行っているようですね。
ROG Allyの登場によってSteamdeckの売り上げはかなり下がったようですが、OLEDの発売がテコ入れになるのかどうかは注目です。
全体的なスペックの変更はありませんが、メモリ速度が速くなっているのは「わかっているな」と言う感じです。
恐らく現状でもメモリの速度が足を引っ張って性能が出せてないと思うので、メモリの速度が上がった分(14%)だけGPUのスコアは変化すると思います。
Ryzen Z1 ExtremeとRyzen Z1を比較するとZ1は1/3しかGPUコアがありませんが、65%の性能があります。
メモリの速度が如何にGPUの足を引っ張っているかと言うのがよくわかるのではないでしょうか。
抜本的な性能の改善はGDDR6のような高速メモリを採用するか、3D V-Cacheのような大容量のキャッシュを搭載することでしか図れないと思います。
しかし、コストのかかるSoCの変更ではなく、メモリの速度を改善してきた点は少し驚きました。
問題はスペック厨の多いゲーミングPCの世界でこの理屈を受け入れる人がどれだけいるかですね。