RISC-Vの年平均成長率は40%と言われている。
RISC-Vオープンスタンダード命令セットアーキテクチャ(ISA)は、2014年8月に導入されて以来、長い道のりを歩んできた。
RISC-Vインターナショナルによると、このアーキテクチャはすでに10億個以上のチップで使用されている。
しかし、これは始まりに過ぎず、同団体は2030年までに160億個のチップにこの技術が搭載されると予測している。
現在開催中のRISC-Vサミットで、RISC-Vインターナショナルの最高経営責任者であるカリスタ・レドモンド氏は、RISC-Vの採用が今後数年間に年平均成長率(CAGR)40%で成長すると予測するスライドを示した。
その結果、2030年までに160億個のシステム・オン・チップでこの命令セット・アーキテクチャが使用されることになり、これまでの約10億個から大幅に増加することになる。
この予測はSHD Groupによるもので、SHD Groupは12月にRISC-Vレポートを発表する予定である。
「すでに世界中で数十億のコアが使われており、RISC-Vを含まない新しい設計を見つけるのは難しくなっていると指摘するアナリストさえいる。RISC-Vは、われわれの時代で最も重大な技術革命である。」
RISC-Vは今日、マイクロコントローラーに広く使われている。
例えば、クアルコムはモバイル・システムオンチップに搭載するマイクロコントローラーにRISC-Vを採用している。
しかし、この技術は急速に拡大しており、Meta、Intel、Tenstorrent、Ventanaといった企業が、人工知能や高性能コンピューティング向けにRISC-Vベースのソリューションを開発しています。
やがて、この技術はさらに拡大し、例えばイマジネーションやヴェナタの新生GPUプログラムのようにGPUへと発展していくだろう。
RISC-VベースのプロセッサーがArmやx86アーキテクチャーのプロセッサーに対して競争力を持つためには、RISC-Vはより強固なソフトウェアとハードウェアのエコシステムを必要としている。
どうやら、両者とも急速なペースで発展しているようだ。
現在、RISC-Vは世界中の4,000社を超えるソフトウェア開発会社によってサポートされており、ソフトウェアやハードウェアの設計者を対象としたマザーボードも数多く販売されている。
ソース:Tom’s Hardware – More Than 16 Billion RISC-V Chips Forecasted by 2030
解説:
成長し続けるRISC-V
一般ユーザーの目から見えるRISC-Vはなかなか話を聞かないなと思っていましたが、その市場は年+40%も成長しており、マイクロコントローラーとして使われているようです。
コントローラーと言うのはまさに言葉通りで例えば民生用SSDで有名なWesternDigitalはSSDのコントローラーにRISC-Vを採用しています。
ちなみにWesternDigitalだけではなく中国のメーカーもSSDのコントローラーにRISC-Vを採用しています。
こうした組み込みの制御系の表に出てこないところに続々と採用されているようです。
それだけではなく、nVIDIAのGRACEやAMDMI300XのようにCPU+GPUのAIプロセッサーに使用するメーカーもあるようですね。
記事中ではイマジネーションやMeta、Intel、Tenstorrent、Ventanaといった企業名が踊っています。
Tenstorrentは「あの」Ryzenを設計したジム・ケラー氏がCEOのAIアクセラレーターを開発している企業でまたRyzenの時のように業界に革命的な製品を販売するのではないかと期待されて、半導体業界の強者が続々と集まっている今話題の企業ですね。
もしTenstorrentがnVIDIAのGRACEのような製品を発売するとしたら、CPU部分はRISC-Vになっているかもしれません。
非常に興味深いです。
RISC-VでもLinuxならオープンソースですから、即OSとして使うことが出来るでしょう。
もちろんですが、個人でやるのはそれなりに大変でしょうが企業がバックについているならばさほど大変ではないという意味です。
数年後は一般の消費者向けにも今ARMが占めている分野にRISC-Vがかなり進出しているかもしれません。
丁度10-15年位前のARMのような立ち位置だと思います。
成長率が物凄いですから、近いうちにARMに追いつくのではないでしょうか。