10,000ドルでEPYCの性能
AMDは本日、待望の最大96コアを搭載したRyzen Threadripper 7000(Storm Peak)シリーズとThreadripper Pro 7000 WXシリーズを発表し、インテルにダブルの打撃を与えた。
これらの新しいコアの多いZen 4チップで、AMDはHEDT市場を復活させ、ワークステーション向けの最高のCPUのリストにその地位を固めることを目指している。
PC Magazineは、Ryzen Threadripper Pro 7995WXを試用する機会を得た。
同誌は、この96コア・プロセッサーを、従来のThreadripper Proフラッグシップである64コアRyzen Threadripper Pro 5995WX、およびインテルのオーバークロック可能なSapphire Rapids Xeon W製品である56コアXeon w9-3495Xと比較した。
インテルは、AMDの高コア数製品に直接対応することはできない。
Xeon Platinum 8490Hは、Sapphire Rapids Xeonのトップ・チップで、60コア、120スレッドを搭載している。
Ryzen Threadripper 7000は、AMDの第4世代EPYC Genoaサーバー・プロセッサーと同じDNAを共有している。
このプロセッサーは最新のZen 4コアを搭載し、Zen 4 CCD(Core Complex Dies)と中央の巨大なIOD(I/O Die)からなるチップレット設計を採用している。
その結果、AMDがRyzen Threadripper Pro 7000 WXシリーズのコア数を96コアまで引き上げることができたのは驚くべきことではなかった。
製品の共食いを避けるため、Storm PeakとGenoaでは機能セットが異なる。
例えば、EPYC Genoaは最大12チャンネルのDDR5メモリをサポートするのに対し、Ryzen Threadripper Pro 7000 WXシリーズは8チャンネルに制限されている。
Ryzen Threadripper Pro 7995WXは、AMDのRyzen Threadripper Pro 7000 WXシリーズのラインナップの最前線に位置する。
EPYC 9654やEPYC 9654Pと同様に、Ryzen Threadripper Pro 7995WXは96コア、192スレッド、384MBのL3キャッシュを搭載している。
AMDはこのプロセッサーのクロック速度を、ベースクロックが2.5GHz、最大ブーストクロックが5.1GHzにチューニングした。
Ryzen Threadripper Pro 7995WXのベースクロックの高さは、EPYC 9654Pと比べると微々たるものだ。
しかし、最大ブーストクロックは約38%高い。クロック速度が高いにもかかわらず、Ryzen Threadripper Pro 7995WXのTDPは350Wで、EPYC 9654Pより10W低い。
Ryzen Threadripper Pro 7995WXベンチマーク
プロセッサー | Cinebench R23 | Blender* | Adobe Photoshop 22 CC | 3DMark CPU 1-Thread | HandBrake 1.4* | Crossmark | Geekbench 5.4.1 Pro |
Ryzen Threadripper Pro 7995WX |
100,291 | 22 | 1,133 | 1,027 | 0 | 1,452 | 52,817 |
Ryzen Threadripper Pro 5995WX |
64,405 | 43 | 1,032 | 883 | 0 | 1,857 | N/A |
Xeon w9-3495X | 55,309 | 50 | N/A | 531 | 0 | 1,152 | 33,987 |
PC MagazineがRyzen Threadripper Pro 7995WXを搭載したDell Precision 7875システムに物理的にアクセスできなかったことを強調しておく。
Storm Peakは11月下旬に発売されるため、その時期までレビュアーの手元にチップが届くことはないだろう。
その代わり、デルはテキサス州ラウンドロックにある同社のカスタマー・ソリューション・センター(CSC)ラボにあるテストシステムへのリモート・アクセスを本誌に許可した。
通信にはリモートデスクトップソフトウェアのParsecを使用した。これによりパフォーマンスのオーバーヘッドが発生するが、デルはこれを1%から3%としている。同誌はさまざまなベンチマークを使用したが、最も関連性が高いと思われるものを集めた。
Ryzen Threadripper Pro 7995WXは、Cinebench R23でXeon w9-3495Xよりも81%高いパフォーマンスを記録した。
また、同じベンチマークでRyzen Threadripper Pro 5995WXを51%上回った。
Blenderでは、Ryzen Threadripper Pro 7995WXはRyzen Threadripper Pro 5995WXおよびXeon w9-3495Xと比較して、レンダリング時間がそれぞれ56%および49%短縮した。
ソース:Tom’s Hardware – AMD’s Threadripper Pro 7995WX 96-Core Cracks 100,000 in CineBench
解説:
Threadripper Pro 7995WXの性能はすごい(小並感)
というわけで早速ベンチマークがでましたが、比較がワークステーションだけなのでCinebench R23(レンダリング)のマルチスレッドでコンシュマーCPUと比較してみましょう。
Threadripper Pro 5995WXと3990Xの性能差はそう大きくはありませんが、Threadripper Pro 7995WXは2倍までは届かないものの、倍近い性能差があることがわかります。
そうはいつてもHEDTやワークステーション向けCPUを購入できる層は限られていると思います。
Alderlake以降、デスクトップ向けCPUも相当性能を伸ばしてきましたが、最新のHEDTには当面追いつけそうもない性能と言うのがよくわかるのではないでしょうか。
Threadripperと言うと、5000シリーズでHEDTを捨てたことが私の胸に重くのしかかっているのですが、やはり性能だけで判断するならば、圧巻です。
この無双状態はしばらく続くのではないでしょうか。