「マンティック・ミノタウロス」は緩い!
最新のUbuntuがリリースされ、Canonicalはセキュリティを強化し、Raspberry Pi 5とRISC-VベースのSBCをサポートした。
Ubuntu 23.10では、TPM(Trusted Platform Module)に暗号化キーが保存され、認証されたブートソフトウェアによって自動的に復元される、ハードウェアでバックアップされたフルディスク暗号化のプレビューが導入されている。
Ubuntu 24.04 LTSでは、より広範なハードウェア・サポートと暗号化オプションが追加される予定だ。
Ubuntu23.10は年後半のリリースであるため、9ヶ月間のサポートが提供され、その後は新しいリリースに移行することが推奨される。
このようなリリースの必要性は、開発者がテストし、5年から10年のサポート(Ubuntu ProのExpanded Security Maintenanceを経由する)を見る次のLTS(Long Term Support)リリースにどのような新機能が追加されるかに集中できるようにするためである。
Ubuntu 23.10がセキュリティを向上させるもう1つの方法は、AppArmorプロファイルを利用することだ。
これらのプロファイルは、特権を持たないユーザー・ネームスペースを作成するために必要なアプリケーションです。
これらのアプリケーションは、特権を昇格することなくカーネル・インターフェースを公開することができ、セキュリティ上の脅威となる可能性があります。
AppArmorを使用することで、攻撃対象が減少します。
Ubuntuアーカイブからインストールされるアプリケーションには、ポリシーの遵守を保証するAppArmorプロファイルがあります。
Raspberry Pi 5向けのUbuntu 23.10には、サーバー版とデスクトップ版の両方が用意される。
Raspberry Pi 5のデスクトップ・リリースは、完全な “適切な “Linuxデスクトップ・コンピューターの感覚に極めて近い。
Raspberry Pi 4もそれに近かったが、Raspberry Pi 5のクアッドコア2.4GHz Arm CPUのパワーは、それをより良いものにしている。
10月17日(米国東部時間午後2時/日本時間午後7時)、Raspberry Piをテーマにした番組「The Pi Cast」で、Canonicalソフトウェア・エンジニアのデイブ・ジョーンズに話を聞く予定だ。
UbuntuはRISC-Vプラットフォームで成功を収めており、Ubuntu 23.10リリースでは、SiFive HiFive Pro P550の発売時にサポートが拡張されます。
これまでUbuntuはHiFive Unmatched開発プラットフォームをサポートしていた。
改善されたアプリケーション発見
Ubuntu 23.10では、新しく改良されたApp Centerが導入され、アプリケーションを検索するための高速で使いやすいインターフェイスが提供されます。
アプリは、どこにでもある.debパッケージやCanonicalのSnapパッケージを使ってインストールできます。
App Centerを使用すると、Canonical Snap Storeが提供する豊富なメタデータのおかげでアプリケーションを検索できる。
Snapアプリケーションは、不正なパーミッションが存在しないことを確認するため、厳格なセキュリティレビューを受けている。
Ubuntu 23.10は、Ubuntuのウェブサイトから無料でダウンロードできる。
今後数週間で、さまざまなUbuntuのリ・スピン(Kubuntu、Xubuntuなど)やコミュニティ・ディストロが登場することを期待したい。
ソース:Tom’s Hardware – Canonical Announces Ubuntu 23.10, Support for Raspberry Pi 5
解説:
ついにUbuntuがRaspberry Pi5とRISC-Vのシングルボードコンピューターをサポート。
先日の記事の解説でRaspberry Pi5が如何に強化されたかを説明しましたが、UbuntuもRaspberry Pi5とRISC-Vのシングルボードコンピューターをサポートするようです。
もはや、組み込みコンピューターを学ぶオモチャではなく、れっきとしたパーソナルコンピューターとして認知されつつあると思います。
シングルスレッド性能もGeminiLake Refleshの倍くらいの性能がありますから、一つ前の型のAtom系よりもかなり快適です。
何らかの形でモニターやキーボード、マウスを接続すればWEB閲覧や動画視聴くらいなら難なくこなすことが出来るでしょう。
時代は変わったなと思います。
Linuxで一番メジャーなディストリビューションと言えばUbuntuですから、Ubuntuが対応すればその他のディストリビューションも対応してくる可能性が大です。
現在、Raspberry Pi OSはdebianベースですが、Ubuntuベースのものも出てくるかもしれません。
Pi4まではパソコンなどを使いmicroSDカードにイメージを書き込んで使うのが一般的でした。
Pi4のmicroSDカードスロットはSDR50なので50MB/sまでしか出ません。
しかし、Pi5からはPCIe2.0×1インターフェイスが付いているので別売りのボードを購入すれば2242のNVMe SSDを取り付けることができます。
ここまでくればもはや立派にパーソナルコンピューターと言ってもよいでしょう。
ラズパイ本体にはSoC、メモリ(4/8GB)をはじめ必要なものは全てついています。
後はSSDを付ければ立派にパソコンですね。
ケースとアダプターは自前で用意する必要があるのでもう少しお金がいると思いますが、3万円もあれば、十分にパソコンとして機能するものが作れると思います。(ただしモニターは別です。)
Ubuntuがリリースされるのを見て確信しましたが、Raspberry Pi5はパソコンの世界にも大きな影響を与えると思います。
Raspberry Pi5は10月28日から出荷開始で日本では技適を取得する必要がありますので発売までしばらく時間がかかるかもしれません。
実に発売が楽しみです。