9月29日に予約したMeta Quest3が届きましたのでレビューします。
届くまでの道のり・・・
Meta Quest3は今回も、公式サイトで事前に予約しました。
128GB版です。
公式サイトの到着予定日は10/20でしたが、発売日翌日の10/11に到着しました。
早すぎてびっくりです。
国内の引き受け運送会社は西濃運輸でした。
ここはQuest2と同じでした。
Oculus Quest3の概要と初代Quest、Quest2との比較
Oculus Quest | Oculus Quest 2 | Meta Quest 3 | |
重さ | 571g | 503g | 515g |
トラッキング | 6DoFサポート | 6DoFサポート | 6DoFサポート |
ストレージ | 64GB/128GB | 64GB/256GB | 128GB/512GB |
ディスプレイパネル | OLED | 高速スイッチLCD | |
解像度 | 1,440×1,660 (片目) |
1,832×1,920 (片目) |
2,064×2,208 (片目) |
リフレッシュレート | 72Hz | 72Hz/90Hz | 90Hz/120Hz |
SoC | Snapdragon 835 | Snapdragon XR2 | Snapdragon XR2 Gen2 |
オーディオ | スピーカー、マイク内蔵 (3.5mmイヤホンジャック対応) |
スピーカー、マイク内蔵 (3.5mmイヤホンジャック対応) |
スピーカー、マイク内蔵 (3.5mmイヤホンジャック対応) |
RAM | 4GB | 6GB | 8GB |
バッテリー 寿命予測 |
2~3時間 (ゲームプレイで約2時間、 メディア視聴で3時間) |
2~3時間 (ゲームプレイで約2時間、 メディア視聴で3時間) |
最大使用可能時間は平均2.2時間 ゲーム: 使用可能時間は平均2.4時間 ソーシャル: 使用可能時間は平均2.2時間 プロダクティビティ: 使用可能時間は平均1.5時間 メディア: 使用可能時間は平均2.9時間 |
充電 | USB-C給電 (約2時間で フル充電) |
USB-C給電 (約2.5時間で フル充電) |
付属の18W電源アダプター で約2.3時間 (ヘッドセットのみ) |
IPD (瞳孔間距離) |
本体底面の スライダーによる 無段階調整 |
本体レンズ側に よる三段階調整 |
本体底面の ダイヤル式による 無段階調整 |
プレイ空間 | 静止 最小ルームスケール |
静止 最小ルームスケール |
静止 ルームスケール |
視野角 | 水平110度? | 水平97度/垂直93度 | 水平110度/垂直96度 |
その他 | フルネルレンズ | フルネルレンズ | パンケーキレンズ |
Snapdragon835、SnapdragonXR2、SnapdragonXR2 Gen2の違い(参考)
Snapdragon835 | SnapdagonXR2 | Snapdagon XR2 Gen2 |
|
ベース | Snapdragon835 | Snapdagon865 | Snapdagon 8 Gen2 |
Antutu総合 | 258,063 | 589,939 | 1,404,018 |
AntutuGPU | 90,151 | 238,608 | 542,372 |
初代Questに搭載されていたSnapdragon835とQuest2に搭載されているSnapdragonXR2とQuest3に搭載されているSnapdragonXR2 Gen2の違いです。
Antutuのスコアに関してはベースとなるSoCを搭載しているスマホの値を引用しています。
必ずしもQuest、Quest2、Quest3の実態を正確に反映していない可能性がありますので注意してください。
GPU性能はQuest2の2倍以上、総合性能に至っては3倍近くになっています。
先日の記事で紹介したRaspberry Pi5の性能も物凄い勢いで進化していますが、Quest3も物凄い性能の進化を遂げています。
Quest2発売から3年、最近スマホSoCの進化も鈍ってきたかなあと感じていたところですが、やはり3年も間が空くとかなりの性能アップです。
特にGPUの性能は倍になっていますので、Quest2よりさらにリアルな表現が可能になっているものと思います。
Intel Core i7-1365I(Raptor Lake) VS Snapdragon 8 Gen2
Intel Core i7-1365U (Raptor Lake) |
Snapdragon 8 Gen2 |
|
CPU | ||
CPUクロック ・ベース |
P1.8GHz E1.3GHz |
不明 |
CPUクロック ・ターボ |
P5.2GHz E3.9GHz |
Cortex-X3 3.2GHz Cortex-A715 2.8GHz Cortex-A710 2.8GHz Cortex-A510 2.0GHz |
CPUコア数 | 10 | 8 |
CPUスレッド数 | 12 | 8 |
Geekbench6/ シングルコア |
2,654 | 1,932 |
Geekbench6/ マルチコア |
9,288 | 5,467 |
GPU | ||
GPU | Intel Iris Xe Graphics |
Qualcom Adreno 740 |
GPUクロック | 0.3GHz | 0.68GHz |
GPUターボクロック | 1.3GHz | – |
製造プロセス | intel10nm | TSMC4nm |
FP32演算性能 (GFLOPS) |
1,690 | 3,482 |
今回もIntelのモバイルCPUとQuest3に搭載されているSoCのペースとなっているSnapdragon 8 Gen2の性能の比較を挙げておきます。
Snapdragon 8 Gen2は互換性の維持のために32bitのコアを搭載していますので3種類ものコアを搭載しています。
Quest3でどのくらい有効になっているのかはわかりませんし、クロックも恐らくはフル動作はしていないものと思います。
あくまでも参考程度にとどめてください。
CPU性能は体感速度で重要なシングルスレッド性能が最新のIntelモバイルCPUにあと少しのところに迫っています。
GPU性能では大きくリードしており、スマホやQuest3のような組み込み機器に搭載されるSoCに何が求められているのかがはっきりとわかるようになっています。
写真
初代、Quest2、Quest3の箱を並べたところ。Quest3の箱の小ささが目立ちます。
Quest3の箱のサイズ。Switchと比較してみました。
明けたところ。コンパクトに収まっています。
正面から。コントローラーを台代わりにして角度を付けています。
上から
下から。IPD調節はダイアル式になりました。
コントローラー〇型のオブジェは付いていないため、箱をコンパクトにできたのだと思います。
付属品はこのように入っています。
充電アダプタとケーブル、説明書です。
Quest3本体 スペック上では515gですが、実測523gです。
Quest3コントローラー124gです。
わかりにくいですが、こちらはQuest2本体です。実測515g
Quest2コントローラー片側151gです。
ストラップは指で伸ばして調整。正直に言うと限りなく安っぽいです。
上側も調整可能です。
三角になっている部分を押すと・・・
ばねでカバーが押し出され、外れます。
Quest2との比較ですが、箱が半分以下のサイズになっています。
ギリギリまでコストダウンした結果だと思います。
重量ですが、当初、Quest2の40%というリークがありましたので期待していたのですが、持つとズシリと重く、Quest2より数gほど重くなっていました。
考えてみれば電池などは容量が多ければそれなりに重く、Quest2よりも軽くなるわけがないかなと思いなおしました。
40%になったのは本体の厚みですね。
充電用のUSB Type-Cポートとヘッドフォン用のミニジャックはストラップのアーム部分の付け根についており、見事にデザインの中に隠れる形になっています。
その影響でヘッドフォン端子はQuest2の左側から右側へ移動になっています。
私はちょっと違和感を感じましたが、慣れだと思います。
装着感
重量はQuest2より重いですが、本体はかなり薄くなっているため、重心が良くなっているのか付け心地としては悪くありません。
頭に固定するヘッドバンドなどは布製で安っぽいです。
このあたりはQuest2とほとんど変わりません。
ギリギリまでコストダウンしているので仕方ないのかなと思います。
付け心地や装着の手間を省きたい方は別売りのストラップを購入したほうが良いでしょう。
音質
本体スピーカーの音質は相変わらずかなり良いです。私が普段使っている1000円ほどのオープンエアのヘッドホンよりもかなり良い音に聞こえました。
コントローラー
コントローラーは本体についている〇のような部分がなくなりグリップ部分のみとなりました。
全体的にすっきりとした印象です。
電池のカバーを外すときはカバーの上側にある三角の部分を押すと蓋がバネで押されて飛び出てきます。
初代Questはマグネット式で一番フィーリングが良かったですが、Quest3はその次くらいに気持ちいいです。
この辺はかなり改良されたなあと感じました。
充電アダプタと充電用ケーブル
色はQuest2と同じ白ですが、四角から円筒形になってQuest2や他の機器の充電器と間違いにくくなっています。
ケーブルの長さはQuest2用と同じく1mほどなのでやはり初代QuestのようにMeta Linkには使えません。
初代Questのアダプタは5V、3A、15Wでしたが、Quest2のアダプタは5V、3A/9V、2Aと2種類の表記があります。
付属品
説明書類、コントローラー左右、アダプタと充電用ケーブル(USB Type-C)約1m
使用感
MR性能が大幅に強化されています。
部屋が散らかっているのでSSは載せられないのですが、Quest2のモノクロからカラーで高解像度になり、被ったままQuest3のカメラ越しでも普通に作業が出来るようになりました。
ただし、やはり違和感があるので進んでやろうとは思えません。
ネットでQuest3をかぶりながらたこ焼きを焼けるというネタを出している人がいましたが、確かに出来そうです。
やるかどうかは別の話ですが、そのくらいMRがやりやすくなっているということです。
トラッキングに関してですが、コントローラーの位置が悪いとズレて表示されたりするのは相変わらずです。
しかし、実使用で問題になることは無いと思います。
一番問題だと思ったのはYoutubeVRのチャンネル登録の際、ヘッドセットを外して作業した時に外して床に置くとトラッキングが失われてしまったことです。
この状態になるとコントローラーの操作を受け付けなくなってしまいました。
この状態になると再起動するしかないのですが、コントローラーが使えないと再起動するのも簡単ではなく、難儀しました。
アプリによっても違うのかもしれませんが、これはちょっと致命的でないかなと思います。
早急な改善を望みたいです。
MRに由来する機能の大半はまだ試していないので、試した後にまた追記するかもしれません。
結論
Quest3の欠点
別にMetaが悪いわけではないのですが、Quest3の唯一にして最大の欠点はその価格です。
128GB版が74,800円で、512GB版が96,800円です。
Quest2発売当初の64GB版が37,300円であったことを考えると非常に高いと言わざるを得ません。
もちろん材料費、燃料価格の高騰、円安などどうしようもない要素はあるのですが、この価格のままだと日本では思ったように売れないでしょう。
ぶっちゃけ、Quest3は買いだと思います。
しかし、この価格では購入できる人は限られるでしょう。
同じくらいの価格でPSVR2の販売が非常に苦戦しているのを見ると、VR機器で74,800円と言うのは高すぎて普及させるのは無理なのでしょう。
Quest2はあらゆる面で価格と性能のバランスが狂っていたVRHMDでしたが、残念ながらQuest3はこの点だけは受け継ぐことが出来ませんでした。
それが唯一にして最大の欠点です。
Metaもこの点は理解しているのかProject Venturaと言う安価なVR HMDを準備しているようです。
こちらが実質的なQuest2の後継機となるのでしょう。
Quest3はQuest2から正統に進化した非常に優れたVR機器だと思います。
しかし、安価な普及版のVR HMDがこれから出ることを考えると果たしてQuest3の機能を生かしたゲームやアプリが十分に出るのか?と言う疑念を感じざるを得ません。
殆ど欠点のつけようがないQuest3のここが欠点だと思います。
デジタルガジェットの最大のパワーは普及する台数です。
台数さえ出ればメジャーなビッグタイトルに恵まれて、さらにユーザーが集まってくるという好循環が生まれます。
Quest3の購入特典であるAsgard’s Wrath 2も特にQuest3専用のタイトルではなく、Quest2でも動作します。
Quest3専用にキラータイトルを準備してないという事実がMetaがQuest3が2と同じくらい売れるのかどうかと言うのを理解しているのではないかと思います。
ここまでいろいろと書いてきましたが、VRをけん引しているのはやはりMetaだと思いますので、ぜひともQuest3は売れてほしいです。
この性能と価格で他に購入できるVRHMDは他に無いので、迷っている方は買いだと思います。