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自作ユーザーが解説するゲーミングPCガイド

AMD Ryzen Z1 APUシリーズはTDP9Wで動作可能です。

更新日:

AMD Ryzen Z1 APUのTDPが最少9Wに

Ryzen Z1とRyzen 7040Uシリーズが似ていることは周知の通りです。

両プロセッサラインは、Zen4とRDNA3アーキテクチャをベースにしたコードネームPhoenixという同じシリコンを使用していますが、Z1の主な目的である携帯ゲームに最適なソリューションとなる小さな相違点が存在します。

Tom’s Hardwareは、この件に関してAMDにコメントを求めたところ、パワーレンジの電圧カーブに関して違いがあることを知りました。

Matthew Hurwitz(AMD PR)の公式声明では、ダイ自体の物理的な変更については言及されていません:

「Ryzen Z1シリーズは、携帯ゲーム機を念頭に置いて設計されています。これを達成するために、AMDのエンジニアは、まったく新しい電力範囲を検証し、このユースケースに特化して電圧カーブを最適化する必要がありました。この最適化と検証作業は、些細なことではありません。そのため、7040シリーズとZ1シリーズでは、「Zen4」や「RDNA 3」といった技術的な構成要素は似ていますが、結果として、それぞれのユースケースに合わせてカスタマイズされた非常に異なる特性を持つモデルになっています。なお、AMD Ryzen AIエンジンは、AMD Ryzen Z1シリーズ・プロセッサーでは利用できません。”

– AMD社クライアントPR Matthew Hurwitz氏

AMDの広報担当者はその後、設定可能な熱設計電力(cTDP)が9Wと、Ryzen 7040Uシリーズが公式に15Wまで下げることを確認しました。

同社はすでにウェブサイトを更新し、この変更を反映させていますが、Z1シリーズの正式なクロックはまだ確認されていませんのでご注意ください。

当然ながら、TDPと消費電力は別物なので、Ryzen 7040Uがより低い電力で動作できないわけではありません。

TDPは、単にCPUの電圧/周波数カーブの目標を設定するもので、7040Uシリーズの場合は15Wに最適化されています。

TDPが9WのZ1シリーズは、追加の検証が必要で、新しい名前でシリーズを差別化するのに十分だった。

Ryzen Z1を搭載した最初の製品は、5月11日に発表される予定です。

ASUS ROG Allyは、今のところ、このCPUを搭載した唯一の携帯ゲーム機として知られていますが、他のゲーム機メーカーは、代わりに7040Uシリーズに頼っています。

AMD RYZEN 7040 Phoenixシリーズ

コア数/
スレッド数
ベース/ブースト
クロック
GPUクロック GPU cTDP
Ryzen 9
7940H(S)
 8C/16T  4.0/5.2 GHz  2.8 GHz  R780M (12CU)  35-54W
Ryzen 7
7840H(S)
 8C/16T  3.8/5.1 GHz  2.7 GHz  R780M (12CU)  35-54W
Ryzen 5
7640H(S)
 6C/12T  4.3/5.0 GHz  2.6 GHz  R760M (8CU)  35-54W
Ryzen 7
7840U
 8C/16T  3.3/5.1 GHz  2.7 GHz  R780M (12CU)  15-30W
Ryzen 5
7640U
 6C/12T  3.5/4.9 GHz  2.6 GHz  R760M (8CU)  15-30W
Ryzen 5
7540U
 6C/12T  3.2/4.9 GHz  2.5 GHz  R740M (4CU)  15-30W
Ryzen 3 7440U  4C/8T  3.2/4.7 GHz  2.5 GHz  R740M (4CU)  15-30W
Ryzen Z1
Extreme
 8C/16T  3.3/5.1 GHz TBC  12CU RDNA3  9-30W
Ryzen Z1  6C/12T  (?)/5.0 GHz TBC  4CU RDNA3  9-30W

ソース:Videocardz.com – AMD Ryzen Z1 APU series can operate with 9W TDP

 

 

 

解説:

遂に携帯ゲーミングPCビジネスは大量発注による価格競争の時代へ

ASUSのROG Allyの発売が迫っていますが、Allyの発売によって携帯ゲーミングPCは新しい局面になります。

ゲーム機のような大量発注による価格競争時代に突入します。

今まで下位モデルが10万円で高いもでるは14-16万円が常識でしたが、今回のAllyは高いモデルが10-12万円、安い方のモデルは7-8万円になるかもしれません。

なぜこんなことが出来るかと言うと大資本を持っている会社が大量に発注しているからですね。

もちろんゲーミングPCはゲーム機と違ってソフトのロイヤリティではもうけられないので限界はあります。

しかし、Z1と言う専用のプロセッサまで生産するのですから、その力の入れようがわかるというもの。

どの程度のカスタムなのかわかりませんが、少なくとも他社のようなボリュームではAMDはここまでしないはずですので、ASUSの本気度が伝わってきます。

この世界ではSteamdeckが実質ナンバーワンの帝王状態でしたが、価格によってはAllyも割って入ることになるかもしれません。

 

 

 

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