1億2千万人のアクティブユーザーを対象としたPCハードウェア市場の動向を垣間見ることができる、最新のSteamハードウェアサーベイが発表されました。
この新しいレポートによると、AMDのCPUはLinuxプラットフォームで圧倒的な力を持ち、IntelはWindows OSでトップの座を維持し、GPUセグメントではNVIDIAが優勢であるようです。
Steam ハードウェア調査、Linux では AMD CPU がトップ、Windows では NVIDIA GPU がトップを維持
この記事を書いている時点では、MicrosoftのWindows OSが97.03%という圧倒的なシェアを獲得し、王者の座に君臨しています。
2位はAppleのOSXでシェアは1.74%だが、ここしばらくは減少傾向にある。3位はLinuxで、シェアは1.23%だが、ユーザーが新しい64ビットOSに乗り換えることで、わずかに増加している。
プロセッサのシェアを見ると、Windowsでは、現在Intel CPUが66.26%(前月比-2.21%)、AMD CPUが33.73%(前月比+2.22%)のシェアを保持している。
OSXでは、Intel CPUが56.66%(前月比-1.85%)、AppleのVirtualプラットフォームが43.34%(前月比+1.90%)のシェアを獲得している。
Linuxでは、AMDのGPUが50.99%(前月比5.39%増)のシェアを占め、IntelのCPUが49.01%(前月比5.39%減)を占め、Intelを上回って過半数を占めています。
CPUについては、Steamユーザーの多くが6コアチップを搭載しており、34.38%(前月比+0.98%)のシェアを獲得しており、4コアチップは32.05%で2位につけているものの減少傾向にある(前月比-0.89%)。
3位は8コアで19.16%(前月比1.19%増)となっている。
GPUでは、NVIDIA GPUが76.19%、AMD GPUが14.64%、Intel GPU(主に統合型パーツ)が8.96%と圧倒的なシェアを誇っています。
NVIDIAのGeForce GTX 1060、GTX 1650、GTX 1050 Ti、RTX 2060といった旧来のメインストリーム向けパーツは、5%以上のシェアを確保している。
これらのグラフィックスカードは、比較的良い価格で販売されており、また、中古市場でも簡単に見つけることができました。
それゆえ、彼らは低予算ゲーマーにとって頼りになる製品となっている。
RTX 3000シリーズGPUで唯一トップ5に食い込むことができたのは、GeForce RTX 3060(Mobile)で、シェアは3.34%。
とはいえ、NVIDIA GeForce RTX 3060デスクトップグラフィックスカードの市場シェアは2.58%、RTX 3070は2.29%、RTX 3060 Tiは1.90%、RTX 3080は1.68%となっています。
意外なことに、RTX 3050はSteamユーザーのPCの1.38%にしか搭載されておらず、AMDのRX 580の1.47%よりも低い数値となっています。
AMDのRadeon RX 6000シリーズは、RX 6700 XTだけが0.33%の市場シェアを獲得しており、最下位に位置しています。
以下は、Steamハードウェア・サーベイにおける各現行世代のグラフィックス・カードのシェアです。
AMD は、Windows と Linux の両方の CPU プラットフォームで Intel からマーケットシェアを奪うべく、実に懸命な努力を続けています。
しかし、GPUに関しては、NVIDIAが文句なしの王者であり、AMDがNVIDIAの次世代RTX 4000シリーズに対抗するRDNA 3 GPUで市場に革命を起こさない限り、この状況は変わらないように思われます。
解説:
Steamハードウェア調査の話題が上がっていましたので取り上げてみます。
先にお断りしておきますが、Steamの調査は母集団であるSteamユーザーから調査に同意したユーザーの標本調査であり、必ずしも実態を表しているものではありません。
また標本数が開示されているわけではありませんので、その点も注意です。
参考までにSteamの2021年の月間アクティブプレイヤー数は約1億3200万となっています。
こちらが母集団の目安となり、ここから調査に同意したユーザーの情報をSteamが集計するということになります。
過去にコメントにSteamのユーザー調査は実態を示していない、宛にならないとコメントされた方もいますが、私は標本調査としてはそれなりに信頼性があるものと理解しています。
これが納得できない方は、この記事は読まない方がいいです。
LinuxでAMDとIntelのシェアが逆転しているそうですが、残念ながら、SteamにおけるLinuxのシェアはたったの1.23%となります。
そのため、数としてのインパクトはあまりないです。
Windowsがインストールベースでスマホも含めたITデバイスのシェアをかなり落としたとはいえ、ゲーミングPCの世界ではまだまだ主流と言ってもよいでしょう。
CPUのコア数は6コア、4コア、8コアがトップ3となっており、実に全体の85.59%を占めています。
2コアを使っているユーザーも8.86%とまだまだ多いです。
10コア以上の多コアはあまり多くはありません。
私は何度も4コア以下で頑張っている人はそろそろ買い替えましょうと呼びかけていますが、この調査を見るとまだまだユーザー数が多いです。
最後に現世代のGPUを使用しているユーザーです。
現世代で使われているGPUで最も多いのはRTX3060モバイルで、この時点でもう何かが狂っていると私は思います。(笑
そのRTX3060モバイルもたったの3.34%で全体に占める割合はそれほど多くありません。
元記事にもありますが、5%前後以上のシェアがあるのはGeForce GTX 1060、GTX 1650、GTX 1050 Ti、RTX 2060です。
全て、TuringとPascalであることと現世代のシェアの数字を見ると、出荷されたAmpereはほとんどゲーマーの手に渡らなかったと言ってもよいのではないかと思います。
本来最も売れて然るべきRTX3050なんてたったの0.34%ですよ?。
Ampereはマイニング需要によって希望小売価格が引っ張られ、全く普及しなかった世代と言ってもよいでしょう。
レイトレもAIアクセラレーターも現時点では規格倒れと言ってもよいでしょう。(誤字ではないです。)
今までの情報ではRTX4000シリーズはAmpereと比較してもかなり割高になると言われています。
一方でPCゲーミングのゲームチェンジャーとなる可能性のあるPhoenix Pointが来年発売され、PS5に近い性能がありディスプレイ一体型で、持ち歩けるゲーミングガジェットが比較的低価格で発売される可能性があります。
今まではそれなりにゲームが出来るゲーミングノートはデスクトップよりかなり割高でしたが、ほぼ同等かちょっと安いくらいの価格で販売される可能性があるということになります。
メーカーの主張ではRTX3060モバイルとほぼ同等の性能があるとのことですので、VRも楽々プレイできるでしょう。
持ち歩きが出来ることも一つのパワーですから、これらが市場からどんな評価を受けるのか?と言うことになります。