AMDの次世代CPU Ryzen 7000「Raphael」は、全く新しいRDNA 2グラフィックス・コア・アーキテクチャを搭載すると予想されています。
これまでRyzen CPUはAPUを除いて統合GPUが利用できなかったので、これはデスクトップのラインナップにとって大きな変化となる。
AMD SMU DriverがRyzen 7000 “Raphael” Desktop CPU向けに1100MHzで動作する4つのRDNA 2 Compute Unitsを指摘している。
Twitterの情報提供者であるKOMACHI_ENSAKAが、次期AMD Raphel iGPUの設計では、2つのワークグループプロセッサを利用し、統合GPUに4つのRDNA 2 Compute Unitsを搭載できることを本日公開しました。
この情報は、最近公開されたAMD独自のシステム管理ユニット(SMU)、つまりドライバから引き出されたものです。
オンラインに掲載されたこの新しい情報では、1.1GHzのベースクロックがこれらの特定のコアで使用されるようで、0.5TFLOPsの単精度演算性能を使用するエネルギー効率の良いGPUを見ていることになる。
これは、Valve Stream Deckで見られる最大のグラフィックス性能に相当します。
ValveのオンボードAPUは、合計8つのCompute Unit(RDNA2)を搭載し、出荷時のクロックは1.1~1.6GHz、つまり1.6TFLOPsです。
https://twitter.com/KOMACHI_ENSAKA/status/1496868051916320768?ref_src=twsrc%5Etfw
VideoCardzは、AMDのRaphaelシリーズGPUの性能は高いものである必要はないと指摘している
この技術情報誌は、我々はすでに256 Stream Processorが十分に質の高い性能を発揮するのを見たことがあると説明している。
デスクトップCPUのグラフィックスサブシステムの主な目的は、ディスプレイ用のエンジンとして機能することであり、プレミアムグラフィックス性能は、ディスクリートGPUの機会がない薄型ラップトップにより関連しています。
AMDがRaphael-S(デスクトップ)とRaphael-H(モバイル)のiGPU設計を変更する予定があるかどうかは不明です。
次世代チップセット「AMD Zen 4 Raphael」は、モバイルおよびデスクトップ市場での利用が計画されています
AMDは、モバイル製品がZen3 Rembrandtアーキテクチャをベースに最近発売されたRyzen 6000シリーズの2倍である最大16コアを利用すると宣言していると引用されている。
AMDは、Zen 4アーキテクチャがRyzen 7000シリーズに搭載され、新しいプラットフォームを義務付けると制定した。
AMDのZen4チップは、デスクトップ用DDR5メモリのサポートを導入し、最新のPCIe Gen 5接続を利用する。
Zen 4プロセッサーは、LGA 1718としても知られるAM5ソケットを使用します。
AMDは、この新しいチップが、現在市販されているAM4オプションと冷却互換性があることを保証しています。
AMDメインストリームデスクトップCPUの世代間比較:
AMD CPU ファミリ |
コードネーム | 製造プロセス | 最大コア数/ スレッド数 |
TDP | プラット フォーム |
チップセット | サポートメモリ | PCIe世代 | 発売 |
Ryzen 1000 | Summit Ridge | 14nm (Zen 1) | 8/16 | 95W | AM4 | 300-Series | DDR4-2677 | Gen 3.0 | 2017 |
Ryzen 2000 | Pinnacle Ridge | 12nm (Zen +) | 8/16 | 105W | AM4 | 400-Series | DDR4-2933 | Gen 3.0 | 2018 |
Ryzen 3000 | Matisse | 7nm (Zen 2) | 16/32 | 105W | AM4 | 500-Series | DDR4-3200 | Gen 4.0 | 2019 |
Ryzen 5000 | Vermeer | 7nm (Zen 3) | 16/32 | 105W | AM4 | 500-Series | DDR4-3200 | Gen 4.0 | 2020 |
Ryzen 6000 | Warhol? | 7nm (Zen 3D) | 16/32 | 105W | AM4 | 500-Series | DDR4-3200 | Gen 4.0 | 2022 |
Ryzen 7000 | Raphael | 5nm (Zen 4) | 16/32? | 105-170W | AM5 | 600-Series | DDR5-4800 | Gen 5.0 | 2022 |
Ryzen 8000 | Granite Ridge | 3nm (Zen 5)? | 未確認 | 未確認 | AM5 | 700-Series? | DDR5-5000? | Gen 5.0? | 2023 |
ソース:wccftech – AMD Ryzen 7000 ‘Raphael’ CPUs May Feature 4 RDNA 2 Compute Units Clocked at 1.1 GHz
解説:
Ryzen7000デスクトップ版のiGPU
Ryzen7000シリーズから通常のデスクトップ版にもGPUが内蔵されますが、APUよりも規模が小さくなります。
このGPUはRDNA2アーキテクチャー4CU256SPで、1.1GHz駆動します。
名称 | Raphael | Rembrandt | Valve SteamDeck APU |
搭載CPU | Ryzen7000 | Ryzen6000 | カスタム |
GPU アーキテクチャー |
RDNA2 | RDNA2 | RDNA2 |
演算 ユニット数 |
4CU | 12CU | 8CU |
SP数 | 256SP | 768SP | 512SP |
最大クロック | 1.1GHz | 2.4GHz | 1.6GHz |
FP32演算性能 | 0.5TFLOPs | 3.6TFLOPs? | 1.6TFLOPs |
RDNA2アーキテクチャーを採用している内蔵GPU同士の比較です。
Rembrandtに関しては最上位モデルのGPUのスペックとなります。また、FP32演算性能はSP数と動作クロックから単純計算で算出していますので注意してください。
Raphaelの内蔵GPUは本当についているだけといった感じですね。
0.5TFLOPSと言うとSwitchのSoCであるTegraX1のGPUと同程度の演算性能と言うことになります。
Raphaelを購入される方はGPUは別途外付けの単体GPUを購入する方が大半でしょうから、これでも問題ないのでしょうね。
GPUを買い替えるとき、メルカリやヤフオクなどで先に売ってから購入できるのでこれでもないよりはナンボかマシと言うことなのでしょう。
ちょっと脱線
私の纏めた表を見ると、Rembrandtの高性能さが目立ちます。
Ryzen7000G(APU)はPhoenixと言う愛称だったはずですが、同等以上の性能にはなるはずなので、かなり期待できそうです。
DDR5を使ったメモリ帯域で引き出せる限界値は3.6TFLOPsなのでしょうね。
DDR4時代は
Ryzen 7 3400Gの内蔵GPUがVega11で704SP、1.4GHzで1.971TFLOPS
Ryzen 7 5700Gの内蔵GPUがVega8で512SP、2.0GHzで2TFLOPS
となっています。
綺麗に2TFLOPS程度で頭打ちにされていますので、DDR4で引き出せる最大の性能が2TFLOPS程度だったのだと思います。
RembrandtはDDR5ですから、上の表の通り、アーキテクチャーだけではなく、GPUの規模やクロックを考えて3.6TFLOPSにされているのだと思います。
DDR4時代の1.8倍ですから、かなりのジャンプアップと言うことになります。
恐らく、このあたりがDDR5世代の内蔵GPUの限界値なのだと思います。
恐らく、プロセスが進んでクロックを上げられるようになったとしても、3.6TFLOPS程度になるようにCUやSP数が減らされる可能性大でしょうね。
これ以上の性能にするならば、インフィニティ・キャッシュのような大容量のキャッシュが必要となります。
しかし、コスト重視のAPUでそれは難しいでしょう。
単体GPUで言えば、GTX1650がFP32演算性能が2.984 TFLOPSですから、数字だけならGTX1650より上の性能と言うことになります。
このくらいになるとFSRを使えば1080Pで十分快適にゲームが出来るようになると思います。