NVIDIA、AMD FSRに発砲
Deep Learning Super Sampling(DLSS)2.3がリリースされてから1ヶ月以上が経過しているにもかかわらず、NVIDIAは超解像技術の最新アップデートに関する公式発表を行っていませんでした。
しかし、以下のビデオが公開される明日、その状況は一変します。
DLSSの新しいバージョンでの成果を強調するために、ブライアン・カタンザーロ(NVIDIA, VP, Applied Deep Learning Research)は、AMD FSRなどの既存の空間アップスケーリング技術との比較を説明しています。
ブライアンは、DLSSが何年も前から開発されており、発売から3年の間にアップデートが行われてきたことを強調します。
最も大きなアップグレードは、AI再構成を導入したDLSS 2.0であることは間違いありませんが、DLSSはもはやぼやけたゲーム体験とは無縁です。
NVIDIAは明らかにコミュニティが期待していることに注意を払い、それ以来、その技術を改善しています。
DLSS 2.3では、ゲームにおけるモーションベクターのよりスマートな使用が導入され、ディテールが改善され、動くパーティクルのゴーストやフリッカーが減少しました。
NVIDIA社のビデオでは、DLSSと、従来からある空間アップスケーリング技術との比較が中心となっている。
この技術はテレビにも実装されているとカタンザーロ氏は言う。実際、NVIDIAのGeForceドライバーは、すでに長い間、独自の空間アップスケーラーを提供していたと付け加えている。
※ 動画は公開停止になっていました。
ビデオでは、「Necromunda Hired Gun」、「Chernobylite」、「Back 4 Blood」などのゲームで、異なる品質モードのDLSSと空間アップスケーリングを比較しています。
いずれの場合も、NVIDIAはAMD FSRには触れず、この技術を空間アップスケーリングと呼んでいる。
複数のフレームからの時間的な情報により、単純に良い結果が得られるとされ、場合によってはネイティブよりも良い結果が得られることもあるという。
AMD FSRとNVIDIA DLSSの様々な独立した比較から、両技術はその地位を獲得しており、Intel XeSSのような第3の競争相手が現れるまでは、互いに競い合うことになるでしょう。
しかし、そうなれば、AMDはAIベースのFSRを発表して、競合技術の品質に追いつくことになるでしょう。
ソース:Videocradz.com – NVIDIA claims its latest DLSS 2.3 technology is better than “spatial upscaling”
解説:
nVidia「DLSS2.3は空間的なアップスケーリングより優れている」みんな「うん、そうだね・・・」
DLSSが素晴らしい技術であることに疑問を投げかけている人は私の知る範囲ではいないのですが、nVidiaはどうもそう思っていないようです。
とあるビデオの中でそう主張していたようです。
このビデオは既に見ることができないようですが、何か思うところがあったんですかね。
DLSSがFSRより技術的に優れていることは誰もが知るところだと思います。
FSRの最大のウリは現時点でライセンスが商用無料で利用可能な点です。
技術的にはnVidia GPUでも設定の中からオンにすることが出来るアルゴリズム補正と同じ技術とされています。
所謂モーションベクターを使った補正とは一線を画するものです。
DLSSの技術的なライバルになりうる可能性があるとしたら、現時点では同様の技術とされるXeSS以外にはないと思います。
FSRもモーションベクターを使ったFSR2.0が出るかもしれないと言われてはいますが、FSRが出たばかりなので、次の話はなかなか出てきません。
当面はないか、RDNA3と同時か度力ではないかと思っています。
FSRは技術的にはDLSSには敵わないのは事実ですが、nVidiaがここまで意識しているところを見ると、やはり、同じようなことが出来るか出来ないかと言うのは大きな違いかなと思います。
Sony’s new patent could bring real-time image upscaling to PS5 and PSVR PS5
翻訳 ソニーの新しい特許は、PS5とPSVR2にリアルタイムの画像アップスケーリングをもたらす可能性がある
上の記事は海外のサイトでソニーがPS5とPSVR2用に新しい特許を申請し、それがDLSSと同じような技術なのではないかと言われているというものです。
ソニーなんかはRadeonを採用したわけですが、革新的な技術に関しては自社でやると覚悟を決めていたのではないかと思います。
AMDは恐らく本当にギリギリまでSoCを買いたたかれたのでしょうから、ソニーも多くは望んでいないのでしょうね。
値下げを嫌ったIntelとnVidia、応じたAMD、そして、類似の後発技術であふれそうなDLSSと最後発としてXeSSを世に送り出すIntel。
IntelとnVidiaがゲーム機用のプロセッサの製造に応じていた場合とそうでなかった場合、トータルのコストで考えるとどっちが特だったのだろうと考えさせられる話です。
もしnVidiaがゲーム機のSoC製造に応じていた場合、少なくともDLSSと同様の技術はかなり減っていたのではないかと私は思います。
その場合、Radeonはかなり苦しい立場に追いやられていたのでは?と思います。
あくまで結果論に過ぎませんが、短絡的に利益のみを追い求めることが必ずしも長期的に見た利益につながるとは限らないというのがわかるのではないでしょうか。