ゲーマーにとっては最悪の年だったかもしれませんが、AMDやNVIDIAのようなIHVにとっては非常に素晴らしい年となりました。
JPRリサーチ社によると、21年第2四半期のGPU AIB市場は118億ドルの大台に乗り、AMDとNVIDIAの両社が製造可能なほぼすべてのチップを販売していることを示しています。
Jon Peddie Research社のレポートによると、21年第2四半期の世界のPCベースのグラフィックス・プロセッサ・ユニット(GPU)市場の成長は1億2,300万ユニットに達し、PCのCPU出荷数は前年同期比で42%増加しました。
全体として、GPUのインストールベースは、2020-2025年の間に年平均成長率3.5%で成長し、予測期間終了時には合計33億1,800万ユニットに達する見込みです。
今後5年間で、PCにおけるディスクリートGPU(dGPU)の普及率は25%のレベルに達すると考えられます。
- 当四半期におけるGPU全体のPCへの装着率(統合型および個別GPU、デスクトップ、ノートブック、 ワークステーションを含む)は、前四半期比で0.1%減の117%となりました。
- PC全体のCPU市場は、前四半期比で3.5%増加し、前年同期比では42.1%増加しました。
- デスクトップ・グラフィックス・アドイン・ボード(ディスクリートGPUを使用するAIB)は、前四半 期比で2.9%減少しました。
- 当四半期のタブレット端末の出荷台数は、前四半期比で3.4%増加しました。
JPR社の社長であるジョン・ペディは、「Covidは、ムーアの法則をも凌駕するほど、世界中のあらゆる予測モデルを歪めました。
短期的な状況に基づく予測は、一部の方面から矛盾した歪んだ予測を生み出しており、その誤りが証明されて恥ずかしい思いをすることになるでしょう」と述べています。
ディスクリートGPUの分野では、NVIDIAはAMDに1ポイントのシェアを奪われたものの、ディスクリートGPU市場全体の80%を順調に占めています。
※ 訳注:恐らく、データを逆(Q2’20が一番最新)に見ているのだと思います。これはハッキリと間違いです。
AMDは最近、新しいGPUを発表し、一方、NVIDIAはRTX 3060 Tiのために在庫を蓄えていましたが(これは第3四半期の報告書に現れます)、市場はほぼ安定しており、AMDがNVIDIAからほんの少しずつシェアを奪っているように見えます(おそらく、GPUのASPがはるかに低いことが原因です)。
解説:
wccftechは数字読めてる?大丈夫?
wccftechの解釈ではnVidiaが1%のシェアを失ったことになっていますが、JPRが出している数字では逆にAMDが前年同期比で3%、全四半期比で2%のシェアを失っていることになっています。
原文がそうなっているのかなと思い、JPRの元になったページも見てみましたが、AMDがシェアを奪ったとは全く書いてありません。
一体何を元にそう判断したのかは疑問に感じるところです。
ただし、生産した分は全て売り上げており、強気で生産したかそうでないかの違いになっています。
私が以前に書いていましたが、いくら優れている製品を作ったからと言って、いきなり前年の2-3倍生産するわけにはいかないわけで、この辺に難しさがあるのではないかと思います。
売上自体も2021年Q1より下がっていますが、JPRの元の記事によると、これは通常の季節性のものであると考えられるそうです。
残念ながら、今のAMDがどれだけ優れた製品を作っても、Pascalで飛躍的に性能を伸ばし、RTX、DLSSと新しい技術を真っ先に採用してブランドを確立したnVidiaには敵わないということです。
あとはIntel Alchemistの発売が凶と出るか吉と出るかですが、こちらは凶と出る可能性が高いのではないかと思います。
どちらがシェアを失う可能性が高いかと言えば、やはりブランド力やソフトウェアのサポートが弱いAMDであると思うからです。