NVIDIA GeForce RTX 3080 Tiがまもなく発売されますが、RTX 3080 TiはRTX 3090からフラッグシップの座を奪い、RTX 3090はTITANのようなセレモニー的な役割を担うことになりそうです。
Geekbench(Geekbench via Benchleaks via Videocardz)でリークされた次期RTX 3080 TiおよびRTX 3070 Ti GPUのベンチマークは、RTX 3090と同等のパフォーマンスを示しています。
RTX 3090の結果を平均すると、RTX 3080 TiがRTX 3090を上回っています。
これは、実行結果にわずかな違いがあるためと考えられますが、注目に値します。
NVIDIA RTX 3080 TiがRTX 3090を上回る Geekbench CUDA平均スコア
次に、今回のリーク情報で確認できたスペックについて説明します。
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RTX 3080 Tiには80個のSMが搭載され、合計10240個のCUDAコアが搭載されます。
また、グラフィックスカードの最大周波数は1.67GHzとなっています。
この2つの仕様を確認した上で、このカードのTFLOPsを計算すると、34.2TFLOPsという驚異的な数値になります。
これは非常に高いレベルのグラフィック性能ですが、実際にゲームのFPSにどれだけ反映されるかは未知数です。
このカードには、9.5GHz(19Gbps)のGDDR6Xメモリが12GB搭載されており、384ビットのバス幅と組み合わせることで、912GB/秒の帯域幅を持つ巨大なグラフィックエンジンを実現しています。
また、このカードのテストに使用されたCPUは5.3GHzまでブースト可能なIntel Core i7 11900Kであるため、CPUのボトルネックが完全に解消され、このGPUにとって最高のベンチマークが得られます。
GeekbenchのCUDAベンチマークは以下のとおりです。
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RTX 3090のベンチマークスコアを以下に示します(ソース:Videocardz)。
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RTX 3080 Tiのスコアが238603であることを考えると、RTX 3090と互角に渡り合えることがわかります。
RTX 3080の希望小売価格が699ドル、RTX 3090の希望小売価格が1499ドルであることを考えると、RTX 3080 Tiの希望小売価格は799ドルから1249ドル、899ドルから999ドルがより現実的な範囲であると予想されます。
また、NVIDIAはRTX 3080 Tiシリーズでハッシュレートを制限することを計画していますが、聞いたところによるとETHのマイニングを停止するだけなので、マイナーがこのGPUを購入するのを妨げることはないようです。
この発表は5月31日に行われ、6月2日にレビューが開始され、2021年6月3日までに発売される予定です。
他のメディアでは、2021年5月31日のComputex Keynoteでの発表を予想しているとすでに述べられていますが、我々は店頭での入手可能日も把握しています。
NVIDIA RTX 3080 Tiは2021年6月3日までに店頭に並び、前日にレビューが行われる
いつものように、NVIDIAは6月3日にフラッグシップ・ハードを発売するという、時差のある発売を目指しています。
発表はもっと早く、おそらく5月31日までに行われるはずです。
NVIDIA RTX 3070 Tiは2021年6月10日までに発売、レビューは前日までに実施
RTX 3070 Tiは、上位モデルのほぼ1週間後に発売される予定です。レビューはその1日前に公開される予定です。
解説:
RTX3080Tiの性能はRTX3090とほぼ同じ
事前の予想通り、CUDAコア数はRTX3090が10,496CUDAコアに対してRTX3080Tiは10,240CUDAコアと言うことになりそうです。
メモリの帯域は若干落ちますが、ベンチマークを見る限り環境によってはRTX3090を抜くぐらいの性能はありそうです。
ほぼRTX3090と同じ性能と言ってもよいでしょう。
RTX3090はクリエイター向けの用途にも使える万能なGPU、メモリの少ないRTX3080Tiはゲーム用途で威力を発揮するGPUと言う棲み分けになりそうです。
ただ、DirectX向けのGPUとしてのRTX3090の存在意義は大きく薄れたということになります。
失敗だったAmpereの初期マーケティングラインナップ
Ampereがこのような混乱したラインナップになったのはAMDのNavi21はnVidiaの想像をはるかに超える性能を持っていたため、当初の計算が狂ったという理由があるのだと思います。
RX6900XTがRTX3080以上でRTX3090に近い性能を持っていたため、RTX3080Tiを作らざるを得なかったのでしょう。
この辺はやはりライバル不在の市場では消費者が不利益を受けるということなのでしょう。
我々はAMDと言うライバルの存在によってRTX3090の2/3程度の価格でRTX3090に近い性能を持つRTX3080Tiと言う素晴らしい製品を手に入れることができます。
問題なのはやはり、マイニング特需の影響によって製品が手に入り辛いことでしょう。
先日出たnViidaの2021Q1の決算を見ると、ゲーム製品部門は前年同期比+106%、つまり2倍以上の業績を上げており、Turingと同等以上の量、製品の平均価格が上がっていたとしても最低1.5-1.8倍程度の量を出荷していることがわかります。
ここはいかんともしがたいところです。