昨今、グラフィックカードの入手はかなり困難になっていますが、今度はグラフィックカード販売業者が新たな詐欺を仕掛けてきました。
AMDとXFXを装って偽のリコールを行い、Radeon RX 580をお持ちの方にGeForce相当の製品と交換してもらうというものです。
同等のGeForceは、ゲームでは同等の性能を発揮しますが、マイニング性能はそれほど高くないため、リセールバリューに反映されます。
中国のグラフィックカード販売業者が、ユーザーであるAMD Radeon RX 580を低価格で購入し、採掘者に販売しようとしている。
これらの中国のディーラーは、AMDとXFXから来たかのような偽の手紙を使って、製造上の欠陥に起因する不安定性の問題を理由に、ユーザーにカードを返品させようとしています。
このような問題は存在せず、ほとんどの情報通はRadeon RX 580がしばらく前に製造中止になったことを知っていますが、一般のお客様はそのことを知らないかもしれません。
これらの販売店では、AMD Radeon RX 580 4GBおよびRadeon RX 580 8GBを、それぞれGeForce GTX 1050 TiおよびGeForce GTX 1060 3GBと交換しています。
リコールでは、被害者がGeForceの同等品との交換を望まない場合、カードのストリートバリューの2倍を提示するということも行われました。
しかし、GeForce GTX 1060 3GBは、ゲーミングカードとしては悪くなく、AMD RX 580と比較しても遜色ありません。
この2枚のカードの大きな違いは、RX 580が暗号通貨のマイニングに優れていることであり、ベンダーもそれを知っています。
GTX 1060 3GBが225ドルで価値が低迷しているのに対し、RX 580は500ドル前後で販売されており、価値が上昇しています。
RX 580はイーサリアムのマイニングで1日あたり3ドル以上稼げるのに対し、GeForce GTX 1060 3GBは1日あたり1.20ドル程度の稼ぎになります。
これらのベンダーは、これらのカードを買い戻したり、トレードしたりして、はるかに高い価格帯でマイナーに販売したいと考えています。
Expreviewが指摘したように、AMDとXFXの両社は、これらのリコールは完全に偽物であり、無視すべきだと声明を出しています。
AMDは、誤った情報を広め、AMDのブランドを不正に使用したこれらの業者に対して法的措置を取ると述べています。
ソース:wccftech – AMD Warns Customers About Radeon RX 580 Recall Scam In China
解説:
中国でRX580リコール詐欺
中国でRX580のリコールが出たとして、8GB版をGTX1060 3GBと4GB版をGTX1050Tiと交換するという詐欺が発生しているようです。
なぜこんなことをするかと言うと、どうも、同等クラスのGeforceのほうがマイニング性能が低いことが原因であるようです。
しかし、RX580はDirectX12でも11でもGTX1060 6GB版よりも性能が上であり、交換対象がGTX1060 3GBとGTX1050Tiとでは完全に釣り合いが取れないと言ってもよいでしょう。
市場にまともなグラフィックカートが無くなって久しいですが、このような事案が発生していることを見ると、GPUを買い占めているのは中国の業者だと言ってもよいでしょう。
なぜ、中国では詐欺がまん延しているのか?
中国では全員に豊かさがいきわたらないことが半ば公然の事実になっているからです。
全員が豊かになれないということは、普通に努力しても報われないということであり、そのため、他人を出し抜くためにズルをするのが当たり前になるということです。
分かりやすい例を挙げます。
ある幼稚園で、園児にお菓子を上げるときちんと先生の言うことを聞いて、行儀よく並びます。
日本で良くみられる普通の姿です。
しかし、全員分のお菓子を用意せず、配って当たらない子が出ると、次の日からきちんと並ばず、我先に殺到するようになります。
これが中国で起こっていることです。
努力しても普通の豊かさが得られないことがわかると、モラルと言うものは簡単に崩壊します。
その上中国では共産党幹部が汚職して賄賂を贈るのが普通になっているので、さらに一般の国民に配分される豊かさが少なくなります。
こうして、中国ではズルをするのが当たり前になっていくのです。
自分が得をするためならば、他社の名前をかたってGPUを集め、高額で業者に転売するのは当たり前、捕まらなければ賞賛を浴びる立場だと思います。
中国の社会は現代に蘇ったソドムとゴモラにたとえられますが、人間のモラルが極限まで崩壊したら社会はどうなってしまうのかと言う興味深い社会実験と言ってもよいでしょう。
見ている分にはよいですが、関わり合いになりたいとは私は全く思わないです。