任天堂は、2021年に発売する携帯型ゲーム機「Switch」に、コードネーム「Ada Lovelace」と呼ばれるNVIDIAの次世代GPUアーキテクチャを搭載する可能性がある。
噂ではありますが、この情報は、NVIDIAの現行世代のGPUにまつわる過去のリーク情報を正確に伝えてきた、非常に信頼できる情報源からのものです。
NVIDIAの次世代Ada Lovelace GPUは、2021年に任天堂が発売する携帯型ゲーム機「Switch」に搭載される可能性があります。
2021年に発売される任天堂の携帯型ゲーム機「Nintendo Switch」は、昨日Bloombergによって、NVIDIAのDLSS技術を利用して、テレビモードで最大4Kのビジュアルをパワーアップするというニュースが流れて以来、話題になっています。
NVIDIA DLSS(Deep Learning Super Sampling)技術は、RTXグラフィックスカードの重要な機能の1つで、AIによるアップスケーリングによってユーザーがより良いパフォーマンスを得られるようにするものです。
この他にも、いくつかの追加情報を聞きましたが、ここではこのトピックの最大のハイライトについてお話しましょう。
その通り、任天堂はNVIDIAのAda Lovelace GPUを搭載すると噂されていると、Kopite7kimiが報じています。
Ada Lovelaceは、Ampere GPUをベースにした既存のRTXグラフィックスカードの世代的な後継機種であるため、このニュースは非常に重要です。
また、このリーク者は、NVIDIAが次世代GPUファミリーのコードネームとしてAda Lovelaceを使用する可能性を初めて示唆しました。
NVIDIAは、著名な物理学者、数学者、科学者をアーキテクチャのベースにすることで知られていますが、Ada Lovelaceもその例に漏れません。
Ada Lovelaceは、多くの意味で世界初のコンピュータ愛好家と考えられます。
チャールズ・バベッジが提案した「分析エンジン」が純粋な計算以外にも応用できることに気づいた最初の人物であり、そのような機械が搭載することを目的とした最初のアルゴリズムと思われるものを発表した(最初のコンピュータープログラマーになった)と思われる。
これは、第二次世界大戦中にAlan Turingが彼らの研究を完成させ、汎用コンピュータを発明する約半世紀前のことである。
NVIDIAのAda Lovelace GPUは、Ampereに比べてすべてにおいて優れています。
レイトレーシングやDLSSの機能が向上し、まだ発表されていないいくつかの新機能も提供される予定です。
Ada Lovelaceアーキテクチャを採用したコンシューマー向けGPUがすぐに登場することはないでしょうが、NVIDIAはNintendo Switch向けにAda Lovelaceバージョンを発表する可能性があります。
NVIDIAは、2019年にTegra Orin SOC向けに初めて導入したAmpereラインナップでも同じことをしていました。
RTX 30シリーズが登場したのは2020年の下半期です。
NVIDIAからの新しいTegraの発表は比較的近いうちに行われる可能性があり、新型Nintendo Switch本体にもARMアーキテクチャを採用したアップグレードされたCPUとより高速なメモリが搭載されることを考えると、それも納得がいく。
新型携帯ゲーム機「Nintendo Switch」の価格は、米国で349~399ドル程度になると予想されており、今年の年末(2021年のホリデーシーズン)までに小売店で販売される予定です。
NVIDIAは、来月開催されるGTC 2021で新しいTegra SOCを発表し、その後、任天堂から次のNintendo Switchコンソールに関する公式発表が行われる可能性があります。
SOC名 | Tegra X1 | Parker | Xavier | Orin | 次世代 Tegra SOC |
製造プロセス | 20nm TSMC |
16nm TSMC |
12nm TSMC |
8nm Samsung |
5nm TSMC? |
SOC トランジスタ数 |
20億 (Tegra X1) |
N/A | 70億 (Xavier) |
170億 (Orin) |
未確認 |
GPU アーキテクチャー |
Maxwell (256 Core) | Pascal (256 Core) | Volta (512 Core) | Ampere (2048) | Ada Lovelace? |
CPU | 16 コア ARM CPU |
12 コア ARM CPU |
8 コア ARM CPU |
12 コア ARM CPU |
次世代 ARM |
CPU アーキテクチャー |
4x Cortex A57 4x Cortex A53 |
4x Denver A53 8x Cortex A57 |
Carmel ARM64 8 ココア CPU (8 MB L2 + 4 MB L3) |
ARM Herclues コア (A72AE) |
次世代 ARM |
システム メモリー |
LPDDR4 | 8 GB LPDDR4 (50+ GB/s) |
16 GB 256-bit LPDDR4 |
LPDDR4x | LPDDR5? |
ソース:wccftech – New Nintendo Switch Console For 2021 Could Feature NVIDIA’s Next-Gen Ada Lovelace GPU
解説:
新型 任天堂SwitchにLovelaceが搭載される?
と言う衝撃的な情報が飛び込んできました。
現行の任天堂SwitchはTegraX1が使われており、出た時点で既に型落ちのSoCでした。
この時点では全く実績が無く、nVidiaもどれだけ売れるのか懐疑的だったと思います。
しかし、大方の予想に反してPS4ProやXbox oneとかなりの性能差があったSwitchは任天堂のゲーム機史上に残るほどバカ売れしました。
任天堂Switchが発売されてから今年で4年、新型を出すにはちょうど良い時期ですが、2020年から噂されていたSwitchの高性能版、巷ではSwitch Proと呼ばれるその新型のリーク情報が飛び込んできました。
噂によると、Ampereの次のGPUアーキテクチャーであるLovelaceが搭載されるということです。
この情報はAmpreのかなり正確なリーク情報を流したツイッターアカウントKopite7kimi氏が報じています。
そのため信ぴょう性はかなり高いとみてよいでしょう。
ゲーム機に興味が無い方でも、SwitchにLovelaceが搭載されれば、PCの単体向けLovelaceがどのような性能なのかかなり正確に予測できるかもしれませんので、これは大注目でしょう。
新型Switchに搭載される可能性があるかないかについては「大いにある」と私は予想しておきます。
理由は
・出来るだけ高く売りたいnVidiaは激しい価格交渉を嫌ってプレイステーションにもXboxにも食い込めていない
・Switchが予想外にバカ売れし、改めて任天堂の実力を認めている可能性が高い
・ゲーム機で唯一のnVidia搭載機なので、ここは落としたくない
・現行SwitchはPS5などの次世代ゲーム機との性能があまりに大きくなり、マルチタイトルの移植が厳しい
このため、nVidiaはPC向けの次世代GPUであるLovelaceを出し惜しみなく先に投入してでもAMDのマーケティングにかなり大きく使われているゲーム機での実績を誇示したいところでしょう。
海外のゲーム系情報メディアの予想ではこの新型Tegra(?)と見られるSoCの製造にはTSMCの5nmが使われるのではないかとも言われています。
ただし、メモリは所詮LPDDR5なので速度は良くてもGDDR5よりちょっと下(実際にはシングルチャンネルで使われる可能性があるのでその場合、かなり下)程度になるでしょう
現行Switch使われているTegraX1はGPUアーキテクチャーはMaxwellでCUDAコア数は256、PC用ではGTX950が768CUDAコアですから、内臓GPUのSoCがどの程度の性能なのか想像に難くないです。
現行Switchのメモリバス幅は64bitしか出ていませんのでシングルチャンネルで使っています。
これをタブレット型の端末に入れ込むのですから、TDPはまず動かせません。
Orinは車載用ですから、様々なタイプがあり、TDPもピンからキリまであります。
最高はOrinを2つ搭載し、750Wです。
元記事の表には2048CUDAコアとして入っていますが、このスペックを同列に考えるのはどうかと思います。
新型Switchに搭載されるのは、256-1024CUDAコア程度の規模に収まると思います。(アーキテクチャーが大幅に変わらない限り1024は無いと思います。)
※ ただし、DLSSでアップスケーリングと言う「魔法」を使うためにTensorコアはGPUの規模に見合わないほど多い数になる可能性はあると思います。根拠はTensorコアやRTコアはある程度の数が無いと満足に機能しないからです。
具体的にFP32の演算性能で示すと、行っても3TFLOPS、GTX1650程度ではないかと予想します。
※ TegraX1はnVidiaの公称値1TFLOPSですから、実に3倍にはなっているわけですが
RTX2080Tiが世に出たとき、実際は13.8TFLOPS程度の性能でしたが、RTコアとTensorコアの性能を加味すると44TFLOPS相当になると言われていました。
公称3TFLOPSとすると、DLSSを使って実質の性能を3倍に底上げすると計算すると9TFLOPSとなりPS5に並びます。
かなり強引な理論ですが、マーケティング上の文言としては大いにありだと思いますし、実際に使われるのではないかと思います。
TDPとメモリの帯域を考えると回して性能を稼ぐというのもかなり難しいので、5nmと新規設計のGPUでそこまでの性能を絞りだせるのかどうかは微妙だと思います。つまりこの程度の性能でも実現できるかどうかは微妙と言うことです。
PS5や新型Xboxに採用されているのははかなり「熱い」SoCですから、本来ならば、携帯端末であるSwitchと比較できるようなものではないです。
現行Switchに使われているTegraX1の元々のTDPは10Wですが、それをダウングレードして使っていると言われています。
行ってもTDPは15W程度でしょう。
それを考えるとやはりあまり過剰な性能は期待できないと私は思います。