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AMDがGPUチップレット設計を特許申請、RDNAアーキテクチャの未来か?

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AMDはモノリシック設計へ別れを告げる。

AMDがGPUチップレットの特許を取得

12月31日に米国特許庁に提出された新しい特許には、GPUチップレットの潜在的な設計に対するAMDのアプローチが記載されている。

メーカーは、このような設計の問題点となる構造を概説し、将来的にそれらを回避する方法を説明している。

AMDによると、これまでのGPU設計は、実装上のさまざまな問題があるため、モノリシックな状態に保たれてきたという。

GPUプログラミングモデルは、システム内の複数のアクティブダイに並列性を分散させることが難しく、複数のGPU(Crossfire構成も記述している)で作業するには効率が悪い。

また、複数のGPUチップセット間でメモリコンテンツを同期させるのは、設計上複雑でコストがかかるとAMDは説明している。

AMDは、「高帯域幅のパッシブクロスリンク」を実装することで、このような問題を回避できると考えている。

AMDによれば、最初のGPUチップセットはCPUに直接「通信可能に結合」され、アレイ内の各GPUチップセットは、パッシブクロスリンクを介して最初のGPUに結合されるという。

この意味で、AMDは、パッシブクロスリンクを、単一のインターポーザ上に配置されたチップレット間の通信ワイヤと考えた。必要に応じて複数の層で)。

このようなGPUグループは、異なる機能チップに分割されたSystem on a Chipとして動作することになる。

従来のGPU設計では、GPUのそれぞれが独自の最終レベルキャッシュ(LLC)を特徴とするが、問題のある同期を避けるために、AMDは、GPUチップレットのそれぞれが独自のLLCを特徴とすべきだと考えているが、キャッシュが「すべてのGPUチップレットに渡って統一され、コヒーレントな状態を保つ」ように、それらのキャッシュのそれぞれが物理リソースに「通信可能に結合」されるような方法で、キャッシュが「統一され、コヒーレントな状態を保つ」ようにしている。

※ キャッシュコヒーレンシ(英: cache coherency)とは、共有リソースに対する複数のキャッシュの一貫性を意味する。キャッシュコヒーレンシはメモリ一貫性の一種である。

AMDは、GPUチップレット設計に取り組んでいることを公には確認していない。

しかし、RDNA3+の設計がチップレットをベースにしたものになる可能性があるという噂はある。

AMDはマルチチップ設計の経験が豊富で、特にRyzenシリーズや、現行のゲーム機を含むさまざまなAPUの経験がある。

競合他社であるNVIDIAとIntelもまた、このルートをたどることが予想されており、GPUチップをより高い歩留まりで生産できるようになるだろう。

IntelはすでにタイルデザインのXe-HPグラフィックスカードを確認しており、今年後半にデビューすると予想されている。

一方、NVIDIAは、Hopperアーキテクチャを採用した初のMCM(マルチチップモジュール設計)を発表すると噂されている。

図1は、いくつかの実施形態に従って、GPUチップレットを結合するための高帯域幅パッシブクロスリンクを採用した処理システムを説明するブロック図である。

図2は、いくつかの実施形態に従ったGPUチップレットおよびパッシブクロスリンクの断面図を示すブロック図である。

図3は、いくつかの実施形態に従ってパッシブクロスリンクで結合されたGPUチップレットのキャッシュ階層を示すブロック図です。

図4は、いくつかの実施形態に従ったGPUチップレットの平面図を示すブロック図である。

図5は、いくつかの実施形態に従った4チップレット構成を利用した処理システムを示すブロック図である。

図6は、いくつかの実施形態に従ってチップレット間通信を実行する方法を説明するフロー図である。

ソース:Videocardz.com - AMD patents GPU chiplet designs, a future of RDNA architecture?

 

 

解説:

AMDが米国特許庁にGPUチップレットに関する特許を申請

速ければRDNA3からチップレットに移行するのではないかと言われています。

チップレットは複数のダイを組み合わせることによって、一つ一つのダイを小さく出来、生産性を上げることが出来るため、製造コストが高くなる7nmや5nm、それ以上の微細化が進んだプロセスには必須となる技術ですが、マルチダイのダイ間の通信に問題があった様で、GPUのマルチダイは実現が難しかったようです。

AMDのZen2もCCDやCCXをまたぐと遅くなると言われており、性能が奮わなかったと言われています。

GPUの場合、広帯域、高速メモリが使われていますので、もっと問題は深刻であることは想像に難くありません。

AMDの特許はこの点に関する解決方法のもののようです。

ただし、実際にちゃんと性能が出るのかどうかは実物を見てみないとわからないところでしょう。

※ もちろんですが、これはIntelのXeにもnvidiaのHopperにも言えることだと思います。

いずれにしてもAMDはCPU製品とは裏腹に今までGPUのマルチダイに関する話が出ていませんでしたが、これでGPUもマルチダイに遠からず移行することが明らかになりました。

 

 

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※ SAPPHIREはAMD Radeon専業のメーカーであり、Radeonのリファレンス的なメーカーです。

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