米国と台湾の半導体メーカーは、中国が国内のチップ産業を戦争的に発展させようとしていることから、悪質なシリコン戦争の予感がする中で、今日は売りが殺到している。
我々は、トランプ政権が中国の広範なハイテク産業全般、特に華為技術(北京の王冠技術の宝庫)に打撃を与えようとしていることを延々と報じてきたが、このような動きは、中国のハイテク産業の発展に大きな影響を与えている。
最後の釘は8月、米商務省が華為の一時的なライセンスの延長を拒否したことだ。
さらに、米商務省はまた、米国の技術を採用した外国製品を米国の規制の対象とする外国産直接製品(FDP)規則を拡大し、華為の関連会社にも同様の制限を課した。
Huaweiの圧迫はあまりにも深刻で、アナリストはHuaweiがスマートフォン事業から完全に撤退するのではないかと公然と推測し始めている。
ここで問題の核心に迫る。Huaweiの支配力が大きくなり、重要な半導体の調達能力が実質的に失われたことで、中国は外国への依存を排除するために、シリコン部門に何兆ドルもの投資をしようとしているのだ。
ブルームバーグはこの件に関するレポートの中でこう指摘している:
「北京は2025年までの5年間、いわゆる第3世代半導体への幅広い支援を準備していると国民は述べ、政府の審議については議論されていないことを確認した。
業界の研究、教育、資金調達を強化する一連の措置が国の第14回5か年計画の草案に追加され、10月に国の主要指導者に提示されると人々は言った。」
重要なことに、中国の習近平国家主席は、半導体、無線通信、AIなどを含む国内のハイテク産業に、この分野での中国の優位性を確保するために、2025年までに少なくとも1.4兆ドルの資金を投入することを約束している。
調査会社ガベカル・ドラゴノミクスの技術アナリスト、ダン・ワン氏はブルームバーグの報道を引用して次のように述べている。
“中国の指導者は、半導体がすべての先端技術を支えるものであり、もはや米国の供給に頼ることはできないことを認識している。米国のチップアクセス制限の強化に直面して、中国の対応は、自国の産業の発展を後押しし続けることに他ならない。
このような中、米国の半導体大手や台湾のTSMC(NYSE:TSM 81.18 -1.21%)は、Huaweiを最大の顧客とするチップ製造の巨人であり、現在プレッシャーを受けています。
市場前の取引セッションでは、TSMCの株式は現在1%以上下落しています。
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AMD(NASDAQ:AMD 82.54 -8.51%)とNVIDIA(NASDAQ:NVDA 520.62 -9.28%)の株もそれぞれ2%前後、3%前後下落している。
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インテル(NASDAQ:INTC 50.39 -3.56%)は、本日の半導体セクターで唯一の例外であり、取引開始早々に株式はかろうじて芽を出している。
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もちろん、この中米間の半導体戦争が他の分野にも波及し、「トゥキディデスの罠」- 覇権が覇権に挑戦した場合の大規模な軍事衝突 – として知られるようになる可能性もある。
解説:
米中貿易戦争で半導体業界は全く得をしないという記事が出ていました。
現時点で、すでに米中貿易戦争は回避不能です。
中国はアメリカの要求を返事だけして全く履行するつもりはないため、もうアメリカは中国と交渉はしないとまで言っています。
中国は日本の尖閣諸島と同様に台湾にも執拗に領空侵犯を繰り返しており、2020.8.16には台湾高雄沖で空戦が発生しており、領空侵犯した中国の戦闘機J-10を台湾が撃墜しています。
もはや戦争は不可避と言う状況です。
申し訳ありません、コメントでいただきましたが、誤情報だったようです。
正確には、アメリカのアザー保健福祉長官の訪台に合わせて、中国軍機が台湾領空に侵犯し、台湾軍が空対地ミサイルのレーダーを起動したうえで台湾空軍の戦闘機が追い払ったというのが正確な表現のようです。
日本でも2019年4~12月の自衛隊の緊急発進(スクランブル)は742回だったが、そのうち523回が中国でトップです。
また、アメリカは台湾に最新型レーダーやアビオニクスを搭載したのF-16 Block 70/72の売却を決定しており、中国と対決するのに軍事力の行使も辞さないとする台湾を後押ししています。
恫喝による外交を繰り返してきた中国はすでに世界の敵になっており、恐らく、日本もこの世界VS中国と言う図式の中に組み込まれていくと思います。