AMDの第4世代Ryzenデスクトッププロセッサは2020年9月頃に発売される予定です。
マザーボード業界の情報筋はDigiTimesに伝えています。
これらのプロセッサは、コードネーム「Vermeer」、「Matisse」の後継であり、I / Oコントローラダイと組み合わされた「Zen 3」マイクロアーキテクチャに基づく最大2つのCPU複合ダイのソケットAM4マルチチップモジュールになります。
「Zen 3」チップレットは、N7PまたはN7 +のTSMCによる新しい7 nmクラスのプロセスで製造されることが期待されています。
「Zen 3」での最大の設計変更は、CPUコアのCCX配置を廃止し、各チップレットがコアの共通ブロックを保持して最終レベルのキャッシュを共有することです。
これは、新しいノードからのクロック速度のヘッドルームの向上とともに、世代別のコストパフォーマンスの向上をもたらすことが期待されています。
「Zen 2」ベースの8コア「ルノワール」ダイも、2020年内にソケットAM4がデビューし、「Picasso」ベースのクアッドコアRyzen 3000シリーズAPUを引き継ぐ予定です。
これはAMDにとって特に重要な製品であり、価格設定の点でIntelの第10世代Core i5 6コア/ 12スレッドプロセッサと競合することが予想されるため、より多くのコア(8コア/ 16スレッド)とより高速なiGPUを提供します。
第4世代のRyzenソケットAM4プロセッサラインナップは、AMDの600シリーズマザーボードチップセットと一緒に発売され、前方互換性と後方互換性があります。(つまり、「Vermeer」と「Renoir」は古いチップセットで動作し、古いAM4プロセッサは600シリーズのチップセットマザーボードで動作します)。
AMDは当初、6月に開催される2020 Computexトレードショーでこれらのプロセッサを発表する予定でしたが、Computex自体は9月下旬に再スケジュールされます。
ソース:techpowerup – AMD 4th Gen Ryzen Desktop Processors to Launch Around September 2020
解説:
ついに、Ryzen4000シリーズの発売時期が明らかに
Ryzen4000シリーズの発売時期は9月になるとの情報が飛び込んできました。
Ryzen3000シリーズが発売されてから1年足らず、早くも次世代の発売時期が明らかになりました。
7nm+を使うといわれるVemeerが発売されればIntelとの製造技術格差は2世代分となり、追いつくのは絶望的になります。
もっと絶望的なのは来年5nmのRyzen5000シリーズが出てIntelが14nmだった場合、もはや勝負ありという感じでしょう。
仮に10nmが立ち上がったとしても世代格差は2世代分と縮まらず、ほとんど致命的な差になると思われます。
今年の年末に予定通りRocket Lake-Sを発売し、2021年にIntelが10nmや7nmの製品を発売できなければ競争力がなくなるでしょう。
おそらく、今年がIntelがAMDにくらいついていける最後のチャンスになると思われます。
14nmから次に移行できない場合、おそらくIntelの大部分のモデルがAMDの最下位モデルであるRenoirに負けることになるでしょう。
※ わたくしの予想では年末のRocket Lake-Sの発売はかなり無理なスケジュールと思いますので、難しいのではないかと思います。Comet Lake-Sの立ち上げも当初予定では1-2月だったのでしょうが結局発売が5/27と半年以上遅れたことを考えると、Comet Lake-Sを発売してから半年でRocket Lake-Sというのは無理が過ぎるのではないでしょうか。
かつてはTSMCやGFが28nmで足踏みし、AMDやnVidiaもそれに引っ張られる形で製品が停滞していた時期がありました。
その頃のAMDは発売予定を守らないため「AMDのペーパーローンチ」などと揶揄されていました。
※ ペーパーローンチとは発表だけして発売しないことを指します。
その時、今の状況を説明したらおそらく頭がおかしくなったと思われたでしょう。
あれから数年、こんな状況になるとはだれも予想できなかったと思います。
半導体業界というのは本当に劇的で面白い業界だと思います。