AMDの次世代CPUであるZen 4搭載のRaphael Ryzen Desktopの最初のモックアップがExecutableFixによって投稿されました。
この写真は、AM5プラットフォームとLGA1718ソケットに関する情報をリークした最初のツイートの続報として掲載されたものです。
AMD Zen 4搭載Raphael RyzenデスクトップCPUのモックアップレンダリング写真、AM5 LGA1718ソケット用に設計され、スクエアパッケージを採用
AM5プラットフォームの大きな変更点の1つは、PGAソケットからLGAソケットへの変更です。
AM5プラットフォームでは、LGA 1718ソケットが採用され、その名の通り、CPUと接触するピン数は1718本となります。
これは、次世代Alder Lake CPUをサポートするIntel LGA 1700ソケットよりも18本多いピン数です。
つまり、RyzenデスクトップのCPUにはピンがなくなり、代わりにインテルのデスクトップCPUのようにコンタクトパッド(金色)が見られることになるのです。
https://twitter.com/ExecuFix/status/1397173117487828992?ref_src=twsrc%5Etfw
翻訳
続けましょう、RaphaelはZen 4初のコンシューマー向けチップで、その外観は以下の通りです。
Raphael
– AM5ソケット
– DDR5(DDR4は搭載していません
– PCIe 4.0 28レーン (Zen 3と比較して+4)
– TDP 120W (170Wの可能性もあります)
このモックアップでは、AMD Zen 4ベースのRaphael RyzenデスクトップCPUが正方形のパッケージを維持しつつ、パッケージサイズが大きくなるIntelのAlder Lake-SデスクトップCPUに比べて小型化されていることがよくわかります。
しかし、インテルのパッケージの大部分はコンデンサやその他のVRMレギュレータチップで占められているため、AMDはより小さな面積に、より多くのコンタクトパッドを詰め込むことになります。
さらに、Zen 4を搭載したRaphaelシリーズのRyzenデスクトップCPUの詳細についても言及しています。
次世代のZen 4チップは完全にDDR5に準拠し、DDR4のサポートはもう維持しないと述べています。
一方、インテルは600シリーズのプラットフォームで、DDR5(プレミアム)とDDR4(バジェット)の両方のメモリをサポートする予定です。
また、PCIe Gen 4.0のレーン数は28レーン(Zen 3比で4レーン増)となり、PCIe Gen 5.0を搭載しないのは確かにお得な感じがしますが、PCIe Gen 4.0インターフェースは現時点では飽和状態とは言えないことを忘れてはいけません。
AMD Ryzen Raphael「Zen 4」デスクトップCPU期待される機能:
- 新しいZen 4 CPUコア(IPC/アーキテクチャの改善)
- 新開発のTSMC 5nmプロセスノードと7nm IOD
- LGA1718ソケットを備えたAM5プラットフォームのサポート
- デュアルチャネルのDDR5メモリをサポート
- 28本のPCIe Gen4.0レーン(CPU専用)を搭載
- TDPは105~120W(上限は~170W)
AMDはintelよりも早くAM4プラットフォームをPCIe Gen 4.0にアップデートしており、どのGPUシリーズもすぐにはGen 4プロトコルを飽和させないと思われますが、次世代PCIe 5.0 SSDは、インテルのAlder Lakeプラットフォームでの本格的なマーケティングツールとなる可能性があります。
しかし、その頃にはAMDが独自のPCIe Gen 5.0プラットフォームを発表していることは間違いありません。
さらに、このリーク情報によると、AMD Raphael’ Zen 4′ RyzenデスクトップCPUのTDPは標準で最大120Wですが、最大170Wまで設定可能とのことです。
これがインテルチップのPL2のような上限値になるかどうかはわかりませんが、これが事実であれば、高クロックとOCの可能性が期待できます。
さらに、パッケージサイズが小さくなったことで、コア数の増加があるようにもないようにも見えます。
AMDは、メインストリーム・プラットフォームでコア数が増加する可能性が非常に高いと述べていますが、パッケージサイズが小さくなると、チップレットを追加する余地はほとんどありません。
確かに、5nmではチップレットのサイズが小さくなり、7nm IODでは、現時点でZen 3チップに採用されている12nm IODよりも最終的にははるかに小さくなりますが、AMDが次世代RyzenデスクトップCPUのリリースで何を用意しているのかを見守りましょう。
AMD Zen CPU / APU ロードマップ:
Zen アーキテクチャー |
Zen 1 | Zen+ | Zen 2 | Zen 3 | Zen 3+ | Zen 4 | Zen 5 |
製造プロセス | 14nm | 12nm | 7nm | 7nm | 6nm? | 5nm | 3nm? |
サーバー | EPYC Naples (1st Gen) |
N/A | EPYC Rome (2nd Gen) |
EPYC Milan (3rd Gen) |
N/A | EPYC Genoa (4th Gen) |
未確認 |
ハイエンド デスクトップ |
Ryzen Threadripper 1000 (White Haven) |
Ryzen Threadripper 2000 (Coflax) |
Ryzen Threadripper 3000 (Castle Peak) |
Ryzen Threadripper 5000 (Chagal) |
N/A | Ryzen Threadripper 6000 (未確認) |
未確認 |
デスクトップ | Ryzen 1000 (Summit Ridge) |
Ryzen 2000 (Pinnacle Ridge) |
Ryzen 3000 (Matisse) |
Ryzen 5000 (Vermeer) |
Ryzen 6000 (Warhol / Cancelled) |
Ryzen 6000 (Raphael) |
未確認 |
デスクトップ ノートPC向け APU |
Ryzen 2000 (Raven Ridge) |
Ryzen 3000 (Picasso) |
Ryzen 4000 (Renoir) Ryzen 5000 (Lucienne) |
Ryzen 5000 (Cezanne) Ryzen 6000 (Barcelo) |
Ryzen 6000 (Rembrandt) |
Ryzen 7000 (Phoenix) |
Ryzen 8000 (Strix Point) |
低電圧 モバイル |
N/A | N/A | Ryzen 5000 (Van Gogh) Ryzen 6000 (Dragon Crest) |
未確認 | 未確認 | 未確認 | 未確認 |
解説:
AM5がLGAになるという先日の記事が出たばかりですが、AM5のコンタクトパッドがどのようになるのかのCGが出てきました。
100%この通りになるのかどうか迄はちょっとわかりませんが、具体的なCGを出してくるあたり、それなりの根拠があるものと思います。
その他の変化としてはCPUからのPCIeレーンが28になり、これはAM4と比較すると+4になります。
こちらは、CPUとチップセット間のリンクに使われるのかなと個人的には思います。
DDR5のサポートは当然として、TDPが120W(上限が170W)になるのは注目ですね。
最近のIntelはPL2が200Wを超えるようになっていますので、TDPって何?と思うような状況が続いています。
元々、低負荷状態での消費電力や熱はIntelの方が優れていますが、高負荷状態での効率(発熱)は製造プロセスが進んでいるAMDの方が優れています。
そのため、すっかりIntelの方が爆熱と言う印象が付いてしまいました。
実態はAMDが使っている製造プロセスに追いつくために無理やり高クロック迄回しているに過ぎないのですが、TDP125W、PL2で250Wまで回していることを考えると、AMDがTDPを120Wまで使うのは理解できます。
1自作erとしては65Wや95Wの設定も持っていて欲しいところではあります。
その他元記事には7nmIODと書いてありますが、techpowerupの記事などでは6nm IODとされています。
7nmEUVとほぼ同じ半導体密度でコストが安いとされる6nmになる可能性が高いのではないかと思います。
ここは、旧AMDのFabであり、12nm迄はAMDと独占の契約を結んでいたGFの縛りが緩くなり、12nmのIODと言う縛りが無くなりましたので、AM5移行に合わせてIODも製造プロセスを進化させるのは納得が出来るところです。
AM5が5と言う数字を使いながらPCIe Gen4にとどまる理由
インテルが早期にPCI Express Gen4から離れてPCI Express Gen5にこだわる理由ですが、以下の記事を呼んでもらえればわかると思います。
参考リンク:EE Times Japan – PCIeの進化が支える次世代インターコネクト技術
上に記事にある通り、Gen5の特徴であるインターコネクト技術にはCCIXとCXLと言う2つの派閥があり、IntelはCXLを主導しています。
※ CCIXやCXLはnVidiaのNV-Linkのような技術で、将来的にはPCI Expressだけで複数のGPUを連携させられると言われています。AMDもCXLに加入しています。
プロセスの停滞によって出遅れたPCI Express4世代よりも圧倒的にIntelがイニシアチブをとっているのは事実でしょう。
最近だとUSB4はThunderbolt3そのものですが、こういった規格を主導できるのもIntelの強みの一つでしょう。